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水中の騒音がイルカたちのコミュニケーションに支障を及ぼす。意思の疎通ができず悲鳴をあげる

カラパイア


 工事現場や電車通過などの音で、話し相手との会話の音が聞こえなくなった経験はないだろうか?どうやらそれは、イルカも同じらしい。

 最近『Current Biology』誌に、米フロリダキーズのイルカ研究センターによる新たな研究が発表された。

 海洋生物学者たちが、スピーカーからプールに流したさまざまな大音響に対して、2頭のコミュニケーションがどのように変化するのかを調べたものだ。

水中の騒音がイルカにどう影響するか?

 野生でも、飼育下でも、イルカは人間が大好きなあの愛らしいクリック音や口笛などさまざまな音を駆使して、反響定位(超音波の反射による位置把握)によって仲間と互いにコミュニケーションをとっている。

 もし海に人為的騒音が発生した場合、イルカたちのコミュニケーションはどのように変化するのだろうか?

 そこで実験的に、イルカ研究センターで飼育しているデルタとリースという2頭のイルカを使って調査を行った。

photo by Pixabay

仲間の位置や声が分からず大声で鳴き叫ぶ

 イルカたちに、軍事演習の大音響や、油田、海運業界のドリルによる海底掘削音に似た騒音を聴かせたところ、2頭はこれまでよりも大きく長い鳴き声をあげて、騒音に負けじと互いの音を聞き取ろうとしたという。

 まもなく、2頭の鳴き声は叫び声、あるいは金切り声のようになったが、結局、会話はうまくいかなかった。

 当然のことながら、大音響によってデルタとリースのコミュニケーションが難しくなったのだ。

 もっとも大きな音だと、2頭は62.5%の時間しかうまくコミュニケートすることができなかったことがわかった。

Dolphins ‘shout’ over loud underwater noise to complete a cooperative task

海の騒音がイルカたちを混乱させる

「2頭のコミュニケート率が、これほど低下するとは驚きでした」イギリス、ブリストル大学の生物学者で、この研究の論文著者のひとりであるペルニール・ソレンセン氏は語っている。

 研究者たちは、野生のイルカが人間のやることに対して、どのように自分たちの行動を変えるかを観測してきた。

 2006年のオーストラリアの研究では、イルカの目撃率と、人間のイルカウォッチングの観光船の数の増加とを関連づけてはいたが、人間が発する騒音に対するイルカたちの反応を記録したものは、今回の研究までなかった。

 オレゴン州立大学の行動生態学者マウリシオ・カンター氏は、「野生においてこの種の研究を行うのは、たいていは難しい」と語る。そのため、今回のように飼育下での実験が行われた。

 かわいそうだったのは、デルタとリースが、この実験にかなり乗り気だったことだ。

 「イルカは新しいことに好奇心が強く、非常にやる気のある生き物です」ソレンソン氏は言う。「この実験を行うのを、彼らは楽しみにしていたのに、本当にかわいそうなことをしました」

 実際に海の騒音は水中で暮らす哺乳類たちに影響を与えており、2020年の研究によると、マリアナ諸島でのクジラの座礁の半数は、軍のソナーテストの後で発生していることが判明している。

References:January: Dolphins affected by human-made noise | News and features | University of Bristol / Dolphins Are Screaming Because of Underwater Drilling Noise, Scientists Say / written by konohazuku / edited by / parumo

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