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【小説】不良生徒のモノマネをしていると…「おい、お前」

幻冬舎ゴールドライフオンライン

死に向き合い、もがきながらも、生きる意味を探す少年の姿を描いた青春小説。※本記事は、EIKO氏の小説『見上げれば空はブルー』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

泣けないのは何故

その時、

「おい、お前」

茶色いジャケットに紺色のネクタイ。泉中の制服を着崩した卓也が聡の前に立ちはだかった。

「え、俺?」聡はとぼけた様子で自分の鼻先を指で指し示した。

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「お前だよ」

卓也の仲間は他に二人いた。同じクラスの安田と今井だ。三人並んで立ちはだかるとちょっとした壁ができた。

「おい、お前、田村聡」

卓也はイラついた気持ちを、わざわざフルネームで呼び捨てて表した。

「おい、お前」ともう一回言った。

「俺の物まねして笑ってんだろ。いい度胸してんじゃんか」

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