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アメリカで新薬開発における動物実験の義務付けが撤廃される

カラパイア


 製薬会社が新薬を開発するには様々な実験が必要だ。これまで、アメリカのFDA(食品医薬品局)では、ヒトで臨床試験を行う前に動物で試験することが義務付けられていた。

 だがそれがついに撤廃となった。

 去年の9月末に既に上院を通過していた新法「FDA近代化法2.0」は、昨年12月末にジョー・バイデン大統領が署名したことで施行されることとなった。

 この法改正により、製薬会社は他の薬物検査方法を自由に模索することができるようになった。動物実験をスキップして、直接ヒトの臨床試験を行うことも可能になるし、引き続き動物実験を行うことも選択できる。

新薬開発における動物実験の義務付けを撤廃する新法律

 「FDA 近代化法 2.0 」がアメリカで施行されることになった。

 新しい法律は、食品、医薬品、医療機器、および化粧品の安全性を監督するために 1938 年に可決された米国連邦食品医薬品化粧品法の修正法案となる。

 改正前、FDA はマウスやラットなどのげっ歯類 1 種と、サルやイヌなどの非げっ歯類 1 種で、医薬品を試験することを義務付けていた。

 この法を改正する発起人となったランド・ポール上院議員は、「新たな法律は動物の不必要な苦しみと死を止めるのに役立ち、より安全でより効果的な薬が短期間で市場に出るのを可能にするだろう」とプレスリリースで語った。

製薬会社の希望で動物実験を選択することは可能

 これまでの多くの動物実験では、数えきれないほどの動物たちが実験に使用され、苦痛を与えられてきただけでなく、動物実験では正しい結果が得られないということもあった。

 「動物モデルは、正しいことよりも間違っていることが多い」とハーバード大学の生物工学者で、動物実験の代替となる臓器チップ技術を開発した Don Ingber 氏は ScienceInsiderに語った。

 それを考えると、法が改正されたことは確かに良いニュースではある。

 だがこの新法はあくまでも「義務化を廃止」するだけで、動物実験を完全に禁止するものではない。

 製薬会社が動物実験を希望する場合は、それを行うことを選択できるという。

photo by iStock

代替えの試験方法を開発する必要がある

 この法の施行について、一部の科学者からは「代替の方法を検討している製薬会社は、最適な試験方法を認識する必要がある」という声があがっている。

 ヒトを対象としてテストする前に、製薬会社は治療の安全性と有効性を確認し、使用する技術によってどの毒性を特定できるか、または特定できないかに特別な注意を払うことが最も重要となるからだ。

 今回、FDAのスポークスマンは、法律内で適用されるすべての条項を詳しく説明し、業界の利害関係者と協力して、代替試験方法の開発を奨励すると発表した。

 このような代替手段には、前出の「チップ上の臓器」などがあげられる。これは、臓器の機能を模倣できる小型組織を含むマイクロチップであり、コンピューター モデリングや、複雑な臓器の多くを複製できる細胞の 3D クラスターであるオルガノイドだ。

 しかし、これらの方法の多くはまだ開発の初期段階にあり、動物実験に取って代わるようになるまでには長い時間がかかりそうだ。

 しかし、この法律は注目に値する一歩であり、一部の動物愛護団体は祝福の声をあげている。

 Animal Wellness Action および Center for a Humane Economy のウェイン・パセル代表は、「この法が動物実験に関する“時代遅れ”な規則を撤廃し、公的および私的な費用を節約するだけでなく、無数の人間および非人間を救うと確信している」と語った。

References:Drugs No Longer Need To Be Tested On Animals Before Human Trials, FDA Announces/ written by Scarlet / edited by parumo

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