
庭園や山を訪れ世界各国の花を見てきた著者が、川柳で抒情的に草花の様子を綴ったエッセイ。※本記事は、小村康子氏の書籍『誘われて』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
日本編 春
落ち椿平安絵巻我が君と
「方除の大社」”城南宮”の神苑は広く”花の庭―春の山””平安の庭”“室町の庭””桃山の庭””城南離宮の庭”などに分かれています。
“春の山”のしだれ梅の梅林を通り過ぎると、緑の苔の上にぽとり、ぽとりと落ちた椿の花が目に入ります。苔の緑と椿の紅の色彩のコントラストにはっとさせられます。
そして”平安の庭”の池泉回遊式庭園の”曲水の宴”のように流れてくる盃が自分の前を通り過ぎるまでに詩歌がよめるといいのですが。
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京都市伏見区 ”城南宮” 2009.3.14
寝雪をも自力で溶かす座禅草
花の咲く様子が僧の座禅に似ていることから名付けられた座禅草。
“白馬ざぜん草園”は日本一の座禅草園で三十万ヘクタールに四十五万株自生しています。幾筋もの雪溶け水の間に鎮座まします座禅草。花の回りだけはきれいに雪が溶けていました。自分で発熱して雪を溶かすのですね。あっぱれです。
座禅草の顔出しパネルがあったので、私の顔はちゃっかり苞の中に収まりました。
長野県白馬村 ”白馬ざぜん草園” 2001.4.13