
現代では当たり前でも、江戸時代なら“大発明”。次々生まれる新たな品に魅了される人々。しかし、事態は思わぬ方向に転がっていき――。※本記事は、小金持銅銭氏の小説『流れ星』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
第一話 ペニシリン
「そうですよ」
……!?……
「こまるでありんす」
「美咲。いつもやってる事だろう」
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「そうでありんすけど……人前ではやった事がないでありんす」
「みんなもそうだよ」
「まぁ、実験ですから、そんな固くならず気軽にお願いします」
「では、お手柔らかにお願い申します」
「それでは美咲さん。やってみてください」と袋に入ったマラサックを一枚渡した。
「こう、うぅん……、どのように?」