top_line

【スマートフォンアプリ(Android/iOS)配信終了のお知らせ】

【エッセイ】「咄咄咄」は何と読む?知ると日常が変わるかも

幻冬舎ゴールドライフオンライン

本記事は、近藤 朱鳳氏の書籍『今を生きることば』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

第一章 名言は処世のサプリメント

薫習(くんじゅう)  ―仏教の唯識―


(

お香の匂いが衣に移るように、その人の身・口・意が周りに影響を与え、また影響を受けながら人生を作ります。「我逢人」という言葉があります。良き人との出逢いは人生を豊かにします。それは出逢った人の良い影響を受けたのです。それが「薫習」。 良い言葉は良い心を育て、そして良い習慣は良き人を作ります。良い人の薫りは日常の良い習慣から。

良い薫りを身に纏いたいものです。私の中の禅と禅語 書作品を作る上で、最も多く使われるのが禅の言葉のようです。禅は悟りと表現されますが、それは、特別な修業の中にのみあるのではなく、修業僧の多くの経験と出逢いとによって得られた“生きる為の智慧”のことだと理解しています。そして、日常の行、住、坐、卧の中で得られる“よりよく生きる”という教えでもあります。

広告の後にも続きます

又、禅は、「不立文字」という言葉で表されるように、教典や文字で“真理”は伝える事が出来ず、以心伝心や教外別伝のように、真理は“感じるもの”であることを教えています。禅とは、始める、行動する、継続するという事の中で悟っていくものなのです。頭で考えるのではなく、身体で感じ取るものなのです。

「我逢人」という禅語があります。我れ人と逢う、と読みます。人との出逢いからすべてが始まります。良い人との出逢いは人生を豊かにします。人との出逢いは勿論のこと、物との出逢い、経験するすべての物事との出逢いが人生を作って行きます。

「冷暖自知」、冷たいも暖かいも経験して初めて解るもの。自分で行動し、経験することの大切さを伝えています。「知足」は、今有る状況に不満を持たないこと。「非思量」は、心の中の不安や心配事に囚われず、サラリと受け流すこと。等々……。楽に生きられる“なるほど”と思える言葉が沢山記されています。

中でも、私が一番気に入っている禅語は「大哉心乎」(大いなるかな心や)です。これは禅が日本に根付くのに大いに働かれた禅僧・栄西の言葉で『興禅護国論』の冒頭に書かれています。

意味は、肉体は限りのあるものだけれど、心は天空の極まりない高さも超えることが出来るし、測ることの出来ない大地の深ささえ超えることが出来る。太陽や月の光明の素晴らしい輝きを凌ぐのは、心の輝きである。宇宙は果てしないものだけれど、心は宇宙を超えて無限である、ということです。

この言葉に出逢った時“心の在り方”というのは何と不思議で素晴らしいものかを感じ、禅に対して更に興味を持ちました。禅語は心を動かし、生きる力をもたらします。気が遠くなる程の長い時間も、あっという間に過ぎる時間さえコントロール出来る「心」を一人ひとりが授かっていることに感動します。

  • 1
  • 2
 
   

ランキング

ジャンル