
魔女狩りに巻き込まれていく少女をめぐるファンタジー小説。 ※本記事は、青井 森之助氏の書籍『死神と森の魔女』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
04 森の外へ
ドン、ドン、ドン、ドン!
そんな時、突然、小屋の扉をノックする音が響き、アンの肩が跳ね上がった。え、何!? 誰? ジンさんはこんなノックしないし……と、そう思いながらアンは恐る恐る扉に近づくと、
「アンさん! いるか? いたら返事してくれ!」
扉の向こうから、そんな聞き覚えのある声が聞こえた。アンは急いで扉を開けた。
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「……リドリーさん!?」
扉を叩いていた人物を見上げ、アンはやはりとその者の名を言った。
「頼む!! アンさん、助けてくれ!!」
アンの肩を掴み、リドリーは血相を変えて言った。
「助けてって……!?」
リドリーのただならぬ様子に、アンは戸惑いながら訊き返した。