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真田広之と桜井幸子が禁断の愛と社会的タブーに挑んだドラマ「高校教師(1993年制作)」

HOMINIS

教師と生徒の禁断の愛を描いたドラマ「高校教師(1993年制作)」。ヒットメーカー・野島伸司が脚本を担当した初のTBS連続ドラマで、社会のタブーに切り込んだ意欲作となる本作の最終回は視聴率33%を記録するなど社会現象を巻き起こした。

主人公は、日向女子高等学院に新しく赴任してきた羽村隆夫。演じるのは、現在では世界的な俳優の1人となった真田広之だ。

映画初主演作となった『忍者武芸帖 百地三太夫』(1980年)では派手なアクションシーンを、映画『魔界転生』(1981年)で沢田研二とのキスシーンや映画『道頓堀川』(1982年)では松坂慶子とのベッドシーンなどのきわどいシーンを演じるなど、俳優としての高いポテンシャルはかなり前から評価されていた真田。本作は、そんな真田の知名度を一気に高めることになる。

昭和理科大学で助手として働いた隆夫。婚約者・三沢千秋(渡辺典子)の父親で大学の上司でもある三沢祐蔵教授(小坂一也)の勧めに応じ、3ヵ月という条件で日向女子高等学院の生物教師を引き受けることになった。

着任初日、駅で日向女子高等学院の生徒と駅員のトラブル現場に遭遇し、とっさに身分を明かしてその女子生徒を助ける。この生徒こそ、本作のヒロインである二宮繭(桜井幸子)である。ピンチを助けてくれた隆夫に心を許した繭は、以降、隆夫を追いかけ振り回していく。

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新しい生活をスタートさせた隆夫だったが、その教師生活は前途多難。例えば、バスケットボール部の顧問に就任するも、それを快く思わない生徒に体育倉庫に閉じ込められ、一夜を過ごしたこともあった。また、プライベートでも千秋の浮気が原因で婚約が破談になるなどトラブルの連続に見舞われてしまう。

一方の繭も隆夫や、唯一の友人である相沢直子(持田真樹)の前以外では無愛想でクラスで孤立していたり、父親の二宮耕介(峰岸徹)の溺愛ぶりに悩まされている。

そうした人間関係における心の葛藤をリアリティたっぷりに演じる真田と桜井の演技力があってこそ、本作は名作になりえたのだろう。そして、本作を肉厚の作品に昇華しているのが、社会的タブーに正面から切り込んでいることだ。

作中では、慎重な取り扱いが求められる社会的な問題となるテーマがてんこ盛り。社会に向けたメッセージ性を感じられる半面、直接的な性描写は抑えられているところには、単なる問題提起に終わらない野島の作品に対する強いこだわりを伺い知ることができる。

文=安藤康之

 
   

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