
本好き芸人でnote芸人でもある、レッドブルつばささんによるブックセレクトコラム「今月の偏愛本 A面/B面」!A面は、映像化作や文学賞受賞作など今月買って読んで間違いなしの1作をパワープッシュしていきます。
第3回はA面、B面ともに辻村深月さんの小説をピックアップ。記事公開前日に劇場アニメが公開されたばかりの『かがみの孤城』への偏愛を語ります。(編)
第3回はA面、B面ともに辻村深月さんの小説をピックアップ。記事公開前日に劇場アニメが公開されたばかりの『かがみの孤城』への偏愛を語ります。(編)
『かがみの孤城』を一言でおすすめ

大人も間違えることがある。
…とは知らなかったあの頃の自分に読ませたい物語
この本を推す理由

『かがみの孤城』の出版社のホームページ上に「子どもとかつて子どもだったすべての人へ」という文字がある。
私はもうすぐ30歳になる。
子どもの頃、自分が30歳になる未来なんて全く想像できなかった。
少年野球に明け暮れた頃はプロ野球選手になると思っていたし、読書に夢中になっていた頃は小説家になると思っていた。
広告の後にも続きます
ただ漠然と「早く大人になりたい」とは思っていた。
小学校に入るタイミングで引っ越しをした。
今まで住んでいたアパートから一軒家に引っ越した時は、新しい生活が始まるのだという期待よりも“誰も知り合いがいない学校に通う”という恐怖の方が強かった。
入学式の日に椅子にしがみついて「学校に行きたくない」と駄々をこねて母親に怒られたことを憶えている。
しぶしぶ連れられて学校に行き、緊張しながら椅子に座っていると隣の席の女の子が話しかけてくれた。
2022年12月24日