東京大会では52kg級に出場していた藤原由衣は、今大会初めてJ2の48kg級に出場。高垣治監督によると減量はかなり厳しかったようで、初戦ではその影響も感じられた。藤原の強みは一本軸が通ったようなバランスの良さだったが、この試合ではやや足が地についていないように見える。ただ、それでも尻上がりに調子を上げ、延長戦で背負い投げを決めて一本勝ち。

続く2戦目では、この体重での感触をつかんだようで、わずか16秒で得意の背負い投げで一本を奪い優勝を決めた。試合後、「相手が速いだけでなく、自分の体が軽くなって試合をするのも初めてだったので探り探りになっていた」と語った藤原。「スピードが速くキレが求められる階級だなと感じた」とのことだが「勝っていくイメージは持てた」と、この階級でパリ大会を目指す決意を示した。
パリ大会に向けて、ポイント争いもますます激化してくるパラ柔道。2023年にはIBSA柔道グランプリ東京大会が東京で開催されることも決まっており、日本チームはこの勢いを保ってパリ大会に向かうつもりだ。
text by TEAM A
photo by X-1