その特徴は、1本1本の金糸(繊維質)が細く、口当たりはやわらかで、比較的ゼラチン質が多く含まれる。今回使用したのは1枚300g相当で、姿煮にすると非常に厚みとボリュームがあるサイズだ。
1枚300g超!豪勢なモウカザメ(毛鹿鮫)の尾びれの姿煮はしっかり厚みがありつつも、金糸は細くやわらかな口当たり。ただし、フカヒレはそれ単体ではこれといった味わいがない。そこで肝となるのが、煮込みスープだ。
多くの中国料理店では、フカヒレを煮込むとき、ベースとなるスープに白湯(パイタン)または上湯(シャンタン)を使っている。白湯は鶏ガラをベースに炊いた白濁したスープで、脂感・雑味があり、味の厚みがある。一方、上湯は上質な透き通ったスープ。とくに広東料理などで用いられ、鶏肉と金華ハムでだしを取るのが特徴。力強く、旨味・塩味のエッジがきいている。
そこで今回は、白湯と上湯を合わせたバランスのスープに、醤油とオイスターソースの風味を効かせた、中華・高橋オリジナルのふかひれ煮込み専用スープ『すぐうま紅焼(ホンシャオ)ソース』を使ってもらうことにした。こちらはプロ向けに開発されたもので、自分でとろみをつけて仕上げる。
多くの方がフカヒレ姿煮の味わいとしてイメージする王道の味付けなので、このペアリング実験でぴったり合う1本が見つかれば、レストランでもきっと役に立つに違いない。
中華・高橋社長の髙橋滉(たかはしあきら)。最初にフカヒレとソースの説明をした。『すぐうま紅焼ソース』は、これでフカヒレを煮込めば姿煮ができてしまうという優れもの。業務用として販売されている。互いに引き立て合い、もう一口飲みたくなるか? ‟マリアージュ実験”の進め方
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気になる“マリアージュ実験”の進め方はこうだ。
①チューニング
評価の統一を図るため、リスト外のワインを“標準”として、全員でテイスティング。参加者全員で、評価の認識をチューニングする。
②チーム分け
効率よくテイスティングを進めるべく、5人ずつ4チームに分かれる。
③予選(1フライト目)
各チームにつき銘柄を隠したブラインドで約8本の予選を行い、1本~最大2本に絞る。
④本選(2フライト目)
各チームで選ばれたワイン(4~8本)を全員でテイスティング。
⑤決定
上位3本を決定する。
判断基準は、「フカヒレもワインも、単体で味わうよりさらに引き立つかどうか」「ワインがもうひと口、ふた口と飲み進めたくなるかどうか」。具体的なテイスティングの評価軸は3ページ目でご紹介するとして、評価の高いものから3点、2点、1点、0点を付けていく。
各チーム、第1フライトでは1人あたり約8種類のワインを、すべてブラインドでテイスティング。 各自が、自分が思う点数とペアリングの印象を記載。 付けた点数について、その理由や感想の意見交換をしながら進めていく。じっくり評価し、グループ内で意見を交わし合い、ベストワインを絞り込む。さぁ、どんなワインが選ばれたのか?