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『アバター』最新作に絶対の自信。ジェームズ・キャメロン&キャストが公開目前の心境を語る「1000人超のすべてのスタッフを誇りに思う」

MOVIE WALKER PRESS

イギリス現地時間12月6日に行われたワールドプレミア直前に、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のオンライン記者会見が行われた。ジェームズ・キャメロン監督、ケイト・ウィンスレット、シガーニー・ウィーバー、サム・ワーシントンとゾーイ・サルダナそしてプロデューサーのジョン・ランドーが登壇し、12月16日に公開を控えた話題作に対する思いの丈を語っている。

■「前作からの延長線上にある、家族の在り方について描きたかったのだと思います」(ワーシントン)

今作は、2009年の大ヒット映画『アバター』の13年ぶりの続編であり、全5部作に連なる壮大な構想と暫定公開日も発表されている。キャメロン監督は待望の続編の成り立ちについて、「『儲かったから続編をやってみよう』というものではありません。『E.T.』は大ヒット映画ですが、スティーヴン・スピルバーグ監督は続編を作りませんでした」と前置きし、「すばらしいキャストたちがみんな戻ってきてくれました。そして、才能にあふれたアーティストたちも集まりました。さらに、ケイト(・ウィンスレット)が参加してくれることになり、続編への機運が高まりました」と、キャストとスタッフの結集が続編制作の大きな理由だったと明かした。「続編において重要なのは、観客が第1作で気に入ってくれたポイントを大切にすることだと思います。それと同時に、想定外の驚きを提供することも重要です。企画の最初のころはストーリーもキャラクターも、もっとシンプルでした。ですが、ゾーイ(・サルダナ)とサム(・ワーシントン)も親になり、私にも5人の子どもがいるので、以前よりも家族の在り方や子どもを持つことの責任感について考えるようになりました。そして、それを子どもの視点から描いていると思います」。本作で目指したものは、“子どもの視点から見た家族”だということだ。

かつてアバター計画に操作員として参画した元海兵隊員のジェイク(ワーシントン)は、パンドラでナヴィの娘、ネイティリ(サルダナ)と出会った。侵略者との戦いを経てナヴィとして生まれ変わったジェイクは、ネイティリと家庭を築いている。ところが、幸せな生活に忍び寄る新たな敵によって神聖な森を追われた家族は、海の部族のもとに身を寄せることになる。

「ジム、話してもいいかな?」とキャメロン監督の了解を経てから、サム・ワーシントンが口を開いた。「最初に、『アバター 1.5』といった感じの脚本を受け取りました。それ自体がもうすばらしく、前作からの空白の期間に彼らが経験してきたことが詳細に記されていました。彼らは戦士で、一族の戦いに向かっていく物語でした。でも、ジムが言うように、前作のラブストーリーからの自然な延長線上にある、家族の在り方について描きたかったのだと思います。ですから、最初の脚本は前作からのギャップを埋める作用があり、ほとんどの監督はそこを重視すると思いますが、彼は違いました。本当にすばらしいですよ」と、畏敬の念を込めて語る。

■「よく理解できなかったネイティリのことが、親になりわかるようになりました」(サルダナ)

一方、ネイティリを演じたサルダナは「恐怖でした」と、続編に対する想いを率直に吐露した。ネイティリ同様、やはり子どもを持ったことで見える世界が変わったのだという。「ネイティリと私は、ある意味パラレルの人生を歩んできたようなものでした。自分にそっくりな他人が目の前にいるような感じです。私が持っている大胆不敵さと反骨精神は、ネイティリにも備わっています。だから同類とみなすことができます。ですが、彼女は自分が住む世界の外側にいる人に恋をしたことで、いままで見えていなかったものに気づくようになります。それが常に、彼女のジレンマでした。恋に身を任せ前進し、愛の結晶を授かることは、彼女にとって挑戦でもあります。かつて憎むべき存在として教えられてきた者を愛し、大人になっていくことは、とても大変なことです。そして、恐怖です。個人的に、親になった時に恐怖心が芽生えました。愛する存在を失うかもしれないという恐怖。ありえないようなことを心配してしまうようになります。最初に2作目の脚本を読んだ時はよく理解できなかったネイティリのことが、親になりわかるようになりました」。

それを受けて、キャメロン監督が「親になる前は恐れ知らずでも、子どもができると恐怖を覚えるようになる。自分自身を失うよりも、怖いことがあると知るから。それが、ゾーイとサムのキャラクターが抱えている感情でした。サムは、パラシュートなしでレオノプリテクスから地球上で最も巨大で卑劣なプレデターの土地に降り立ち、問題を解決させようとするキャラクターを演じています。実際に3児の父親である彼はそんなことをするでしょうか?私はしないと思いますが(笑)」と述べる。

ワーシントンは「それを子どもに見習ってほしくもないですね(笑)」とジョークで返し、前作とは異なり父親役を演じるうえでの葛藤について語った。「前作でジェイクが言っているように、彼はネイティリへの愛を知り、文化への愛、地球への愛へと開眼しました。家族を持つということは、彼らを取り巻く愛と世界と文化を守ろうとする、シンプルなことです。ジェイクの旅は常に、自分がこの世界のどこに属すのかを探し、そして戦うに値するものを見つけることを、並行して行ってきました。そして、彼らの10代の子どもたちも、同じような旅を経験しています。10代の少年たちは居場所を失い、多くのティーンエイジャーと同じように、世界の中での自分の居場所を見つけようとしています。残念ながら、ジェイクはまだ、悩める子どもたちにどう手を差し伸べるか学んでいるところですが」。

■「なによりも引き込まれたのは、彼が作り上げたキャラクターです」(ウィンスレット)

本作の最大のサプライズであり最大の期待は、キャメロン監督の盟友とも言えるケイト・ウィンスレットの参加だ。『タイタニック』(97)で映画史に残るような作品をつくった2人が再びタッグを組む。

参加の理由を問われたウィンスレットは「ジム(ジェームズ・キャメロン)にはすべてにおいて、最高のものを期待していました。精巧で綿密で、徹底されたものを。でもなによりも引き込まれたのは、彼が作り上げたキャラクターです。ジムはいつでも、女性のための役を描いてきました。強いだけでなく、誠実で真実を追求する、独自の力を持ったリーダーの姿です。ジムが立派な力を持つ役をオファーしてくれたのは、とてもうれしかった。ジムはとても賢いので、私が『あら、この役を私が演じられると思っているの?できるかどうかやってみましょうか…』などと愚鈍な返答をしないと知っています。もちろん、期待値を下げることもしません。だからとてもうれしかったんです」と、二つ返事で参加を決めたことを告白した。そして、キャメロン監督の脚本と演出に絶大な信頼を寄せる。「ゾーイとサムは、『アバター』に命を吹き込んでくれました。ほかでもないジムが脚本を書くということは、キャラクターに命を吹き込み、本物の血を注入し脈を打たせることです。本当に最高でした。彼らが築き上げた空間に足を踏み入れると、なにもない場所だとしても、真実と関係性と脈動が詰まっています。その一部になれたことは、正直言ってとても特別なことでした」。

■「1000人超のすべてのスタッフの人々を誇りに思いました」(キャメロン監督)

前作の『アバター』にはナヴィと人間の触媒のような植物学者グレイス・オーガスティン博士を演じていたウィーバーも続編に参加している。キャメロン監督と企画について話し合ったのは2010年のことで、それからキャラクターが変化していったと述べる。ウィーバーが今作で演じるのは、ネイティリとジェイクの家族で14歳の少女、キリ。こういった驚きのキャスティングもナヴィであれば可能となるのだ。キリを演じた経験についてウィーバーは「光栄だったし、ドキドキ、ワクワクしていた」と思い返す。「本当に思春期らしい、いいところも欠点もある役を演じられたのが光栄でした。準備時間が潤沢にあったので、実際に高校で授業を受けたりして高校生の声のトーンを学んだり。12歳から15歳の思春期は、個体差が大きいものです。だから私自身の14歳のころと重ねながら、自分なりのキリを表現することができたと思います」。

それぞれのキャストが語る、キャラクターを演じるうえでの葛藤を聞きながらキャメロン監督が「この映画では、どのキャラクターもそれぞれの方法で、一生懸命生きようとしています」とまとめる。彼は、1週間前に完成間近の映画を観てしみじみと感じたことがあったそうだ。「1日10〜11時間くらい細かな作業を毎日やっていて、あまり全体を通して観ることはしていませんでした。じっくりと、映画のスペクタクルやデザイン、創造物などを見渡しました。それを観て、できあがった作品を誇りに思うだけでなく、それらを雄弁に、かつさりげなく映画に封じ込めた1000人超のすべてのスタッフの人々を誇りに思いました。崖と対峙するシーンにはセリフはなく、キャラクターのクローズアップが続きます。セリフをひと言も発しなくても、その目が雄弁に語っています。CGになった時にも繊細さが保たれる確信があるからこそ、思い切り細かく具体的に表現することができるのです。普通にこなすのは、私たちが求めている挑戦ではありません。私たちは、人生やキャリアのこのステージにおける挑戦を課していて、そこでしか見られない景色を欲していました。最終的にできあがった作品、そして人間とは生理的にかなり異なるCGのファンタジーのキャラクターに、いかに感情が表現されているかを、私はとても誇りに思っています」と一気に述べ、できあがりに満足している様子をうかがわせた。

まだ映画を観ていない世界中の観客に向けて、ジェームズ・キャメロンは宣言する。「予告編やテレビスポットでは見せていない、ストーリー上の驚きの展開がたくさんあります。実際に観ていただかないとわからないと思います。より深く、心に響くような感情を喚起させることでしょう」。希代のフィルムメイカーが2022年最大の期待作に寄せた自信を、ぜひ劇場で確かめてほしい。

取材・文/平井伊都子
 
   

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