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『silent』涙ながらに語る目黒蓮が体現した想の苦悩 時を経て母との溝が埋まる

Real Sound

『silent』©︎フジテレビ

 “聞こえないこと”を受け入れていくためには時間がかかる。『silent』(フジテレビ系)の第9話では、想(目黒蓮)とその家族が悩みながら一歩ずつ前に進んできた様子が描かれた。時にぶつかりながらもゆっくりと埋まっていく家族の溝と、紬(川口春奈)や湊斗(鈴鹿央士)との再会から変化していく想の姿はまるで雪解けを思わせる。

参考:『silent』夏帆と風間俊介の手話を通した芝居の攻防が心を打つ 繊細に描かれた人間関係

 想の耳が遺伝性の病で聞こえなくなり始めた頃、律子(篠原涼子)は心配な気持ちと同時に責任を感じていた。だが、なんとかしてあげたいという気持ちは空回るばかり。その頃、妊娠した姉の華(石川恋)は自分の子供が想と同じように遺伝のせいで耳が聞こえなくなるのではと不安を抱えていた。それにもかかわらず律子が想ばかりを心配していることに、華はもやもやした気持ちを抱えるのだった。親の立場になれば、誰しもが自分の子を真っ先に思わずにはいられないものだ。その後、華の子どもは聴力に問題がないことがわかる。

 時を経て帰省した想と律子は向き合って話すことができ、お互いの気持ちをしっかりと理解し合えるようになる。時間はかかったものの、佐倉家はゆっくりと前進していた。そして想は、東京に戻ってきてからどこかすっきりとした表情で紬(川口春奈)と会うのだった。

 耳の病気が発覚してから、補聴器を使っても聞こえづらいほどになってしまった想は、心の中でたくさん傷つき、たくさんの葛藤を抱え、それを乗り越えてきた。 “聞こえなくなっていく”という現実に動揺し、なかなか受け入れられず苦しむ想の姿はあまりに痛ましい。

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 想を演じる目黒蓮は、まだ声で気持ちを伝えていた頃の想を真摯に演じた。「ずっと喋ってるつもりなんだけど、声出てないよね」と涙ながらに語る台詞は、想の思いの全てを物語っている。自身の身に起こる変化に激しく動揺する想の様子を、目黒は表情や声で痛ましいほどはっきりと表現した。目黒のこの芝居の力によって、現在の想が抱える思いの意味がよりはっきりと輪郭を表す。

 想と家族の歩んできた道のりが示された一方で、想が過去を乗り越え、今、新たな価値観で紬と対峙する姿もみずみずしく描かれた。改めてCDを手に取り、紬と一緒に歌詞を楽しもうとする姿や、些細なことで冗談を言い合う想の屈託のない笑顔からは、自分の気持ちの中でどこかすっきりしたものがあったと感じられる。小さな変化ではあるが想が変わりつつあることで、やがて2人の関係も何かしら変わっていきそうだ。無邪気にじゃれ合う姿からは楽しさが、手話を教えるために手をとる様子からは、心のときめきが感じられる。いよいよ紬と想の不確かな関係性に名前がつく時が来るのかもしれない。「ずっと」という手話を覚えた2人には「ずっと」一緒の未来が訪れてほしい。かつて紬に対して「片想い」を覚えなくていいと言った想だからこそ、この手話を正しく教えたなりの気持ちがあるに違いない。(Nana Numoto)

 
   

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