加藤雅也さんと横山雄二さんの共同企画によるストリップ劇場3部作の第二弾、映画『愚か者のブルース』が現在、全国順次公開中(シネマスコーレ(愛知)・第七芸術劇場(大阪)・京都みなみ会館・宮崎キネマ館など)です。30年前、伝説の映画を監督したが、今や過去の人となっている男・大根を演じた加藤さんに、本作や映画製作への想いをうかがいました。
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●本作は加藤さんの一言で企画がスタートしたそうですが、横山監督とはどのように進められたのでしょうか?
最初はざっくりと映画監督の話で、<夢で生きている男>の物語が撮れないかと、そういう話をしました。その後ある程度の台本が出来て、いろいろと変えながら、お互いに話し合いをしながら進めました。
●横山さんは監督だけでなく、俳優としても出演されています。
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自分で脚本を書いているので、自分の言いたいこと、やりたいことをやっているんですよね。セリフも覚えさせられている感覚ではないというか、だからこそ脚本・監督・主演はやりやすいのではないかなと思うんです。それに長年関係のある、僕自身も楽でした。『トップガン』のトム・クルーズとヴァル・キルマーのように、語らずとも人間関係が出来ている。それが、こういう映画の良さだと思うんです。
●本作はメッセージ性が強いと思いましたが、加藤さんご自身はみなさんに一番何が伝わるとよいとお考えですか?
それは<夢に生きてもいいけれど、夢で生きちゃダメよ>ということですね。主人公はそういう男で、ヘンに頑固なんですよ。映画撮りたきゃ撮ればいいのに、10年も撮らないでいる。撮ってこそ映画監督で、撮らなきゃタダの人。俳優もカメラの前に立っていなければ、タダの人です。人は虚栄心、コンプレックスが最大の敵でもあるんですよね。不平・不満を言うのはいいけれど、それを10年言ってちゃダメということ。人生、無駄にしている。そういう男の話です。
●これは普遍的なものがありますね。
人生80年だとして、体が満足に動いての80年間ではないわけです。やりたいことができての人生じゃないとしたら、何年も文句言ってたらもったいない。すべて自分次第。これは観ている人にも刺さると思いますよ。
●個人的な想いも強いと思いますが、映画が完成して思うことは?