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ピアノを弾くと脳の処理能力がアップし、気分が晴れることが研究で示される。大人の初心者にも効果

カラパイア


 英バース大学の研究チームによると、ピアノを演奏すると、脳の多感覚的処理能力がアップするほか、憂鬱な気分も晴れるのだそうだ。

 この研究は学術誌『Scientific Reports』(2022年11月22日付)で報告されたもの。

 週1時間のピアノレッスンを11週間にわたり受けた初心者は、音と耳による認識力が大幅に向上し、ついでにうつ・不安・ストレスまで軽減することが確認されている。

 研究チームによれば、大人の初心者であっても、楽器を演奏することで脳にプラスの作用がある証拠であるそうだ。

ピアノは大人の音楽初心者にも効果

 大人の音楽初心者31名が参加したこの研究では、彼らを「ピアノを練習するグループ」「音楽鑑賞するグループ」「何もしないグループ」に分けて、その後の変化を観察した。

 ピアノ練習グループの人たちは、11週にわたり毎週1時間ピアノを練習した。一方、音楽鑑賞グループはピアノ練習グループの音色を聴き、何もしないグループは音楽とは無関係な勉強や読書をした。

 その結果、ピアノの練習をしたグループは、ほんの数週間で「視覚と聴覚が関係する多感覚的な処理力がアップ」したそうだ。

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耳と目の認知能力が向上

 そうした多感覚的な力は、車の運転や道路の横断、人ごみに紛れた人の発見、テレビの視聴など、日常のさまざまな場面で必要になるものだ。

 実際、ピアノ練習の効果は音楽だけにとどまらない。たとえば、ピアノを練習した人は、発光とビープ音が同時だったかどうか、ほかの2グループより正確に判断することができた。

 こうした目と耳の認知能力の改善は、顔写真と発音の同時性を判断するより複雑なテストでも確認されたとのことだ。

a) 実験で行われた同時性を判断するテストの合図。上段は、黒い背景に現れた白いフラッシュとビープ音が同時に発生したか判断する。下段の合図はより複雑で、男性の顔と”O”の発音で構成されている。b) & c) 鍵盤の数字と楽譜の数字はお互いに対応しており、これで弾くべき部分がわかるようになっている。楽譜上の黒の数字は右手パート、緑の数字は左手パートを表す/Credit: Scientific Reports (2022)

メンタルヘルスも向上、うつや不安が改善される

 またメンタルにも好ましい影響があったという。ピアノを練習した人たちは、練習前よりもうつ・不安・ストレスを感じなくなっていたのだ。

 研究チームは、楽器の練習がメンタルに問題を抱える人々にとって有益かもしれないと指摘する。

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大人になってからでも遅くはない

 バース大学の認知心理学者で、音楽の専門家でもあるカリン・ペトリーニ博士は、「演奏や音楽鑑賞は、暮らしに喜びをもたらしてくれます。今回の研究では、短期間の音楽学習が認知能力にもたらす直接的効果について探りたいと思いました」と説明する。

 ピアノのような楽器の演奏は、とても複雑な作業だ。演奏者は楽譜を読み、それに合わせて手足を動かし、音や手の感覚に応じて次の動作を調整する必要がある。

 目や耳などから入ってくる情報を上手に処理しなければならないので、多感覚的な訓練になるのだ。

 今回の発見は、楽器の演奏が「脳内の神経ネットワークが低下する成人期においても、視聴覚的な情報処理に有意に好ましい影響を与える」ことを示しているとのことだ。

References:Playing the piano boosts brain processing power and helps lift the blues — ScienceDaily / written by hiroching / edited by / parumo

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