【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・12/3 ステイヤーズS(GII・中山・芝3600m)
好位のインを追走したシルヴァーソニックが最内を突いて抜け出しました。母エアトゥーレは阪神牝馬Sの勝ち馬で、フランスへ遠征してモーリスドゲスト賞(仏G1・芝1300m)で2着という成績があります。繁殖牝馬としても非凡な才能を示し、本馬の他にキャプテントゥーレ(皐月賞など重賞4勝)、アルティマトゥーレ(セントウルS、シルクロードS)、クランモンタナ(小倉記念)を産んでいます。重賞勝ち馬を4頭出す、というのはごく稀なことであり、偉業です。
オルフェーヴル産駒はステイヤーズSに高い適性があり、2020年は1着オセアグレイト、2着タガノディアマンテ、2021年は2着アイアンバローズ、3着シルヴァーソニック、そして今年はシルヴァーソニックが勝ちました。来年も上位争いに加わってくるのではないかと思います。
◆今週の血統Tips
阪神ジュベナイルフィリーズで好走する馬は、普通サイズよりも大きめであることが多い、というのが過去の傾向です。過去10年間の連対馬の平均馬体重は462kg。
一方、過去10年間の師走の阪神開催で牝馬限定戦に出走した馬の平均馬体重は451kgです。一流の成績を残す牝馬は、2歳時からそれなりの馬格を備えています。連対馬20頭中、半数の10頭は470kg以上でした。
もちろん例外はあり、昨年の2着馬ラブリイユアアイズは428kg、2013年の勝ち馬レッドリヴェールは418kgしかありませんでした。440kg未満で連対した馬はわずか4頭しかいません。迷ったら大きな馬を狙う、というのは単純ながら使える戦法です。
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2022年12月5日