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『舞いあがれ!』福原遥と濱正悟が“なんで今?”に困惑 チームの絆が孤独な戦いを支える

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『舞いあがれ!』写真提供=NHK

「岩倉。俺、お前のこと……」

 土日におそらく誰もが気になっていたであろう柏木(目黒蓮)の言葉の続きは、「ごめん。やっぱ、なんでもない」だった。

 参考:【写真】肩を組む柏木(目黒蓮)と矢野(山崎紘菜)

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第10週が幕を開け、舞(福原遥)たち同期6人がそれぞれ複雑な思いを抱えながら中間審査当日を迎える。

 航空学校における中間審査=プリソロチェックとは、学生が今後、一人での航空訓練が可能かどうかを審査するテストのこと。いつもの担当教官とは別の教官が厳しく審査を行う。ここで今後訓練を進めていくことが危険と判断された学生は“フェイル”、つまり退学を言い渡され、1週間以内に学校を去らなければならない。

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 そんな人生がかかった大事な審査を前に、柏木から告白されそうになった舞。布団に入ってもつい柏木の言葉を反芻してしまい、なかなか寝付けずにいた。気が散っていたのは、舞だけではない。同期の中で唯一既婚者の中澤(濱正悟)は、妻から離婚届が送られてきたことからうろたえる。それを聞いた矢野(山崎紘菜)の「え、なんで今?」という率直な感想は中澤の妻だけではなく、柏木にも向けられているようで面白い。

 まったくその通りなのだが、案外世の中は「なんで今?」と思うことばかり。それでも、多くの人の命を預かるパイロットは安全に飛行機を飛ばさなければならない。なんとか眠りについた舞の夢に出てくる大河内教官(吉川晃司)が言う通り、フライトに私情を持ち込むことは厳禁なのだ。航空学校編に突入してからコミカルな描写が増えたが、やはりその中でも航空学校の生徒たちがぶつかるであろう壁と、そこを乗り越えたパイロットの本質を丁寧に描いているように思う。

 よっぽどのことがない限り、退学にさせられることのない通常の学校に比べ、航空学校が厳しい世界であることは間違いない。でも、入ることさえ難しいその世界に集まってきた生徒たちが最初からパイロットとしての素質を持っているわけじゃないのだ。性格も、価値観も、抱えている事情もそれぞれ違う。その中で、唯一共通する「パイロットになりたい」という思いを胸に一つひとつの難関をクリアし、成長していく舞たちの姿を見てきた。

 最も変わったのは、チームプレイに対する姿勢だろう。パイロットになったら、客室乗務員や管制官、整備士など、さまざまな人たちと意思疎通を取る必要がある。にもかかわらず、舞たち同期6人は最初まとまりがなく、柏木をはじめ、チームプレイを不要と考えているメンバーが多かった。だけど、舞の働きかけにより少しずつ歩み寄り、今では互いを鼓舞し合う仲に。中間審査当日の朝、食堂で円陣を組む舞たちは他のどこのチームよりも団結力に長けているように見えた。

 もちろん、審査中は孤独な戦いだが、仲間とともに訓練に励んだ時間が力となる。一時期はスランプに陥った柏木も、みんなとのイメージフライトの成果もあり、本番は落ち着いて飛行機を操縦することができた。舞はというと、一度目は着陸寸前に横風に遭い、失敗。すぐさま「Go Around(ゴーアラウンド)」を宣言し、着陸のやり直しを行う。二度目は無事に着陸することができたが、センターラインを外してしまった。だが、一度目で無理に着陸せず、安全を考慮してやり直しという判断を即下せた点に関しては評価されるのではないだろうか。

 それよりも心配なのは、柏木、舞と同チームの水島(佐野弘樹)だ。いつも楽観的な水島だが、自分の出番を前にした彼の手は小刻みに震える。以前のフライト訓練で航空交通管制の指示を復唱せず、「ラジャー」と曖昧に答えたことを大河内教官から指摘されていた水島。明確な課題があるものの、それに対して水島が向き合ってきた形跡がなく、いつも舞や柏木の課題克服につきあってばかりだった。水島のようなお調子者キャラが染み付いている人は本人も弱音が吐きづらいし、周りも異変に気付きにくい。どこかでその膿を出せるタイミングがあれば良かったが……。すでに中間審査が始まってしまった今、もはやどうにか全員合格してほしいと願うことしかできない。(苫とり子)

 
   

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