店によっては、常に「○%off」という値札が付いていることも
【ひと目で分かる】アパレル企業が経営を維持するために行っている主な取り組み
アパレル企業の多くが、店舗やECサイトで洋服のセールを実施することがあります。中には、常に「〇%off(オフ)」と宣伝している企業もあり、利益が出ているのか気になることがあります。実際に、アパレル業界ではセールが頻繁に実施される傾向にあるのでしょうか。SDGs(持続可能な開発目標)に関するファッションイベントを主催する「THAT’S FASHION WEEKEND」(東京都渋谷区)社長の菅野充さんに聞きました。
発売後、1カ月で値下げするケースも
Q.アパレル企業が洋服のセールを実施する時期やセール時の値引き率について、教えてください。以前、「最大80%off」と宣伝している店舗を見掛けたことがあります。
菅野さん「ブランドによって違いますが多くの場合、春夏向けの商品は7月から、秋冬向けの商品は翌年1月からそれぞれセールが始まります。ただ、売れ行きの悪い商品の在庫をなるべく余らせないために、近年は早めに値下げをする傾向にあり、年々セールの開始時期が早くなっています。
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企業やブランドによりますが、セール期間中は定価の30〜50%引きで販売するケースが多いようです。近年、ECサイトで安く服を購入することができるようになったため、『定価の10〜30%引き』ではなかなか顧客に響きにくくなっているかもしれません。『80%引き』の場合、原価割れしているため、恐らくシーズンを過ぎた商品だと思います」
Q.売れ行きの悪い商品を早めに値下げする傾向にあるとのことですが、やはりアパレル業界ではセールが頻繁に行われているのでしょうか。
菅野さん「セールを頻繁に実施する傾向にあります。できるだけ定価で販売するよう挑戦していますが、なかなか難しい状況です。
頻繁にセールを実施する理由は、多くのアパレルメーカーやアパレル小売店が過剰在庫に頭を抱えているからです。実際に販売をしてみないと、何が売れて何が売れないのかが分からないのが難しいところですね。
そこで、先述のように店頭で売れ行きのよくない商品を売り切るために、早めに値下げをするようです。さらに多くの企業が過剰在庫分を販売するために、アウトレット専用サイト(シーズンが過ぎた商品などを安く販売するサイト)を開設するケースが近年増えています。
できる限り在庫を残さないため早めにセールを仕掛け、それでも余ったら、アウトレットサイトやファミリーセール(自社の従業員やその家族、取引先の関係者に商品を安く販売すること)で販売しますが、全生産数の数%は最後まで売れ残ってしまうのが現状のようです。