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「不発弾」は誰が処理しているのか

日刊ホントの話

「不発弾」とは、発射・爆発をしなかった弾丸・爆弾であり、戦争で使用された爆弾などが爆発せずに残っている状態を指します。 不発弾は、爆発しなかった原因がわからず何らかの衝撃で爆発する可能性もあり、非常に危険です。

そのため、細心の注意をもった迅速で的確かつ安全な処理が求められます。

●「不発弾」を処理する部隊

 日本では、不発弾の処理は自衛隊が行います。

 特に、陸上自衛隊に属する4つの不発弾処理隊である、(1)「第101不発弾処理隊」(沖縄県・那覇駐屯地)、(2)「第102不発弾処理隊」(埼玉県・朝霞駐屯地)、(3)「第103不発弾処理隊」(京都府・桂駐屯地)、(4)「第104不発弾処理隊」(佐賀県・目達原駐屯地)――が主として行っています。

 ちなみに、年間1500件前後の処理数、50トン前後の処理重量をこなしている4つの不発弾処理隊のすべてが、部隊創設以来40年以上無事故という偉業を成し遂げています。

 ただし、海中等海上自衛隊の管轄で不発弾が発見された場合は、海上自衛隊に属する「掃海隊群」などが処理します。

●「不発弾」の処理方法

 もしも陸上自衛隊の管轄の場所で不発弾が発見された場合、「不発弾処理の流れ」は以下のようになっています。

「不発弾処理の流れ」(陸上自衛隊の管轄の場合)
(1)不発弾の発見者は直ちに警察に通報する
(2)警察から管轄の自衛隊に不発弾発見の連絡が入る
(3)不発弾処理隊が不発弾発見の現地にむかう
(4)現地にて不発弾処理隊が不発弾の識別と調査を行う
(5)不発弾処理隊が不発弾を回収し後日処理するか現地で処理する

 「不発弾処分の流れ」で最も重要な行程は、「(4)現地にて不発弾処理隊が不発弾の識別と調査を行う」における、“不発弾の識別を正確に行う”であるといわれています。

 不発弾の識別の結果、「(5)不発弾処理隊が不発弾を回収し後日処理をするか現地で処理をする」となります。具体的には以下の2通りのどちらかで処理されます。

(5)-1:不発弾の運搬が可能な場合(不発弾処理隊が不発弾を回収し後日処理する)
・不発弾の運搬が可能な場合は、不発弾処理隊が不発弾の信管除去処理等を行った後回収し、保管された後処理される。
・保管された不発弾のうち危険性が高い場合は安全な場所で爆破処理され、危険性が低い場合は処理企業に引き渡して処理される。

(5)-2:不発弾の運搬が不可能な場合(不発弾処理隊が不発弾を現地で処理する)
・不発弾の運搬が不可能な場合は、現地で爆破処理を行うか信管除去等を行うかを自衛隊と地方公共団体で協議し決定したうえで、最終的に自衛隊と地方公共団体が現地処理の日時や双方の役割分担等の協定を締結し、現地で処理される。
・爆破可能と判断されれば現地で爆破処理し、爆破不可能と判断されれば爆弾に取り付けられた信管を除去するなどして不発弾を安全化する。

 不発弾の処理が成功し現地の安全が確認され次第、立ち入り禁止規制や周辺道路の規制等が解除されます。

●「不発弾」を発見したときは

 不発弾は、工事現場などから偶然発見されることが多いといわれています。

 例えば、太平洋戦争において空襲が激しかった地域や日本国内唯一の地上戦の舞台となった沖縄県などでは、今も不発弾が発見されています。特に、沖縄県での不発弾の発見は多く、「第101不発弾処理隊」(沖縄県・那覇駐屯地)は1日1件以上のペースで出勤しています。

 繰り返しになりますが、不発弾は非常に危険です。そのため、不発弾を安全に処理するための知識と技術、そして組織としての経験が必要となります。

 不発弾から守ってくれている組織や人々への感謝と敬意をもって、もしも不発弾を発見した場合は、(1)触らない・触らせない、(2)近づかない・近づかせない、(3)直ちに警察に通報する――を必ず実行してください。

<参考文献・参考サイト>
・『「反権力」は正義ですか』(飯田浩司著、新潮新書)
・特集!不発弾処理隊 – 防衛省・自衛隊
https://www.mod.go.jp/rdb/n-kanto/kouhou/pdf/77kouhou-140530.pdf
・不発弾等の取扱いについて(通達)│警 察 庁
https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/hoan/hoan202003261.pdf
・不発弾「1日1件以上」…1900トン未発見 死傷者も
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220513-OYT1T50379/

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