
ついに始まった国際プロジェクト「アルテミス計画」。この計画では2025年を目標に、アポロ計画以来となる宇宙飛行士による月面着陸を目指している。
計画の第一段階として、月周回軌道への無人飛行試験「アルテミス1」ミッションを実施するため、オリオン宇宙船が打ち上げられたが、この宇宙船にはAI音声認識スピーカー「Alexa(アレクサ)」が搭載されている。
宇宙への旅は長く厳しい。そんな宇宙飛行士たちを励まし、気分を盛り上げてもらおうと、アレクサには「パーティーモード」というコマンドが実装された。
宇宙飛行士が「アレクサ、パーティーモード」と話すと、宇宙船の中のライトの色がファンキーに変化し、ディスコモードへと突入するのだ。
We prefer “party mode!” pic.twitter.com/FCtrqQ20oE
— Lockheed Martin Space (@LMSpace) November 29, 2022
宇宙船オリオンに搭載されたパーティーモード
今後10年で、宇宙旅行がブームになると見られているが、宇宙への旅は時間がかかる。最初は新鮮だった宇宙からの眺めも何週間もたてば見飽きてしまうかもしれない。オリオン宇宙船のクルーモジュールには、宇宙飛行士をサポートするため、AmazonのAI音声認識スピーカー「Alexa(アレクサ)」が搭載されている。
ただし、宇宙では通信の遅延が大きく、帯域も限られるため、オフラインでの対話のみとなるのだが、飛行士の問いかけに音声で返答することで、ミッションを支援する。
例えば「アレクサ、現在の月までの距離は?」と聞くと、「月までは約100キロメートルです」と答えてくれる。
更に特別に実装されたのが旅を盛り上げるための「パーティーモード」だ。
デモストレーション映像では、宇宙飛行士の人形を乗せた宇宙船内で「アレクサ、パーティーモードにして」と話すと、アレクサが「セレブレーションライトに変更しました」と答え、宇宙船内のRGBライトの色が様々な色に変化し、点滅を開始する様子がわかる。

狭い宇宙船の室内空間が、ちょっとしたダンスホール状態となる。あとは好きな音楽でもかければ、宇宙飛行士たちも少しは気分が上がるかもしれない。Do you think @NASA_Orion looks better in pink or blue?
— Jim Free (@JimFree) November 29, 2022
We are testing the lighting options Orion offers with Callisto – a digital voice assistant and video conference technology demonstration payload developed by @LMSpace we’re flying on #Artemis I. pic.twitter.com/huiYxfUaoH
宇宙飛行士がパーティーピーポー系ならばの話だが。
アルテミス計画の今後
ちなみに、アルテミス1により無人で打ち上げられたオリオン宇宙船は、飛行16日目の12月1日現在、月を周回する遠方逆行軌道(DRO)からの離脱を完了した。宇宙船は今後、月に接近してフライバイを行い地球へ帰還する軌道に入る予定だ。宇宙船のクルーモジュールは12月11日に太平洋へ着水する予定だという。

オリオン宇宙船から撮影した月面の写真。クレーターの中にクレーターの存在が / image credit:NASA

クレーターの中のクレーターがムンクの叫びにそっくりだった件 / image credit:NASA
次のステップである、オリオン宇宙船に宇宙飛行士を乗せて飛行する「アルテミス2」の実施は、2024年に行われる予定だ。
References:NASA’s Space Capsule For The Moon Landings Now Has “Party Mode” | IFLScience / written by parumo