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世界の福本豊 プロ野球“足攻爆談!”「中日のトレードに『何でやねん』」

アサ芸Biz

 中日が驚きのトレードを連発した。11月18日に京田陽太と、DeNA砂田毅樹の交換トレードを発表。そのわずか3日前には、阿部寿樹と楽天・涌井秀章とで成立したばかり。立て続けのニュースに「何でやねん」と突っ込まずにおられなかった。

 京田と阿部の背番号はそれぞれ1と5。背番号一ケタの選手はチームの顔であり、2人とも30歳前後の脂がのった選手。戸惑っているファンも多いという。京田は放出される噂があったけど、阿部はしぶとい打撃で中軸を任されることも多かった。貧打に苦しんだチーム事情を考えても、出したらアカン選手やった。

 それにしても、京田はどこで歯車が狂ったんやろ。入団1年目のシーズンが終わった秋季キャンプに僕は中日の臨時コーチとして招かれ、三拍子のそろったいい選手やと感じていた。でも、打撃に関しては改善の余地があった。上体だけのスイングだったので、どっしり構えて下半身と連動させて振れるようになれば、もっと安定感が出るはずやった。臨時コーチでは走塁だけでなく、打撃もアドバイスしたかったけど、自分と違う教え方をされるのが嫌やったのか、コーチが近づけさせてくれなかった。

 結局、京田はプロで6年やって、1年目の打率2割6分4厘がいちばんよかった。はっきり言って、いい指導者に恵まれなかったということ。3割を打たなくても、2割7、8分打てれば、あの守備力があればショートのレギュラーとして安泰の選手やった。それがよくなるどころか、年々悪くなって、今年は1割7分2厘という悲惨な数字やった。打撃に「間(ま)」がないし、ボール球を見極められない。三振を怖がって当てに行くような手打ちのスイングでは、強い打球が打てるわけがない。完全に自分を見失っている感じやった。

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 5月には攻守に精彩を欠いて、立浪監督から「戦う顔をしていない」と叱責され、試合中に2軍に強制送還された。心技体の全てで狂ってしまった感じやな。新天地のDeNAはチームカラーとしてノビノビとした環境やから、復活を目指すにはいいかもしれん。伸び盛りの森、守備のいい大和らとの争いになるけど、中日を見返す活躍を期待したい。阿部にしても楽天で意地を見せなアカン。クリーンアップとしては、本塁打数が物足りないが、6、7番に座れば勝負強さが生かされる。

 立浪監督が血の入れ替えを断行する中日は、残された選手も戦々恐々としていると思うで。開幕までにまだトレードがありそうな予感がする。高橋周平も「今度は俺かも」とビクビクして当然。また、そうやって尻に火を付けるという狙いもあるのかもしれん。正捕手の木下も不可解な2軍落ちがあったりしたから、ないとは言い切れない。この2人がトレード候補になるなら他球団も出血覚悟で欲しがる。

 最下位からの巻き返しを目指す来年は立浪チルドレンが活躍しないと、今回のトレードが失敗と言われかねない。今年、外野のレギュラーに定着した岡林勇希は計算できるとして、ショートの土田龍空は1年間体力がもつかどうか。それと、一番のカギを握るのが来年4年目の石川昂弥。ケガと友達をやめて、一本立ちしないといけない。このあたりの皮算用が狂うと、チーム全体がシラけてしまう危険性がある。

福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。

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