
会社が倒産してアパートを追い出され、雨の中で行き倒れていた西ノ宮沙優。そんな時、沙優は大企業の社長・南條貢に拾われ、彼のマンションに置いてもらえることになる。しかし、それはとある条件付きで――!? 男女の想いと過去の愛が交錯する、二編のラブ・ストーリー。※本記事は、ラヴKISS MY氏の小説『落花流水のように 巡り合い、惹かれ合う男女が織りなす愛のゆくえ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
第三章 嫉妬
早く起きて朝食の準備を始めた。しばらくして沙優が起きてきた。
「おはようございます。私ベッドの真ん中に寝ちゃってすみません。南條さん寝られなかったですよね」
「ああ、デスクチェアーで寝た」
「すみません。どうしよう、あの起こしてください」
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「大丈夫だ、気にするな」
「でも、南條さんのベッド……」
「大丈夫だと言ってるだろ」
俺は声を荒らげた。沙優はビクッと肩を震わせて口を閉じた。
「怒鳴って悪かった」
沙優は目にいっぱいの涙を浮かべて、堪えていた。俺はそんな沙優を見て、我慢出来ず引き寄せて抱きしめた。