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原作では語られない物語が!「SLAM DUNK」テレビシリーズアニメの劇場版4作品をプレイバック

MOVIE WALKER PRESS

バスケ漫画の金字塔である「SLAM DUNK」の原作者、井上雄彦が自らメガホンを握った映画版『THE FIRST SLAM DUNK』が12月3日(土)に公開される。実は今回の映画、原作「SLAM DUNK」の劇場版としては5作目にあたり、東映アニメフェアの作品として、テレビシリーズアニメの劇場版が過去に4作品作られていたことをご存知だろうか?

本編では描かれなかったストーリーが語られたこれまでの4作。どのような物語となっていて、時系列は原作のどこにあたるのか、ここで紹介していきたい。

■原作ファンが気になっていたあのキャラが登場!

1993年の10月から始まったテレビシリーズアニメ放送から半年後となる1994年3月に公開されたのが、映画1作目『スラムダンク』。この作品で描かれるのは、主人公の桜木花道ら湘北高校と、原作では名前だけ登場した武園学園高校との練習試合の様子。時系列では原作3〜6巻にかけての湘北高校と陵南高校との練習試合後の物語となっている。

県下ベスト8の強豪、武園学園を練習試合で訪れた湘北バスケ部。そこで花道は、中学生時代に告白するも「バスケット部の小田君が好きなの」とフラれた相手、島村葉子と再会を果たす。その小田が、なんと武園学園のエースその人。因縁の相手に闘志を燃やす花道だったが、小田もまた不良の花道がバスケをしていることが許せず、2人の熱い闘いが幕を開けることに。

原作ファンにとって、台詞でしか登場していなかった“バスケット部の小田君”の存在を確認できた記念すべき本作。また、がむしゃらにプレーする花道の姿を見て小田の心が動かされる、花道がバスケットマンとして認められたという点でも意味のある1作だ。

■花道、リバウンド王としての覚醒に向けた第一歩!

1994年夏に公開された『スラムダンク 全国制覇だ! 桜木花道』は、原作の9巻でダイジェストとなっていたインターハイ神奈川県予選の湘北高校対津久武高校の試合が詳しく描かれている。

インターハイ予選でベスト16に進出した湘北の次なる相手は、キャプテン赤木と木暮の中学時代のチームメイトだった伍代と、顧問である安西の大学監督時代の教え子、川崎が率いる古豪、津久武。チームの快進撃とは裏腹に3試合連続無得点&退場中と絶不調の花道は、あろうことか津久武のルーキー南郷と揉め、なぜか赤木の妹、晴子との交際を賭けて勝負することになってしまう。

花道がリバウンドで活躍を見せる名試合の一つ、翔陽戦へとつながる本作。のちの花道の覚醒への布石となっているこの試合は、観ておくとより原作が楽しめる1作と言えるだろう。

■メガネくん大活躍!失意の湘北メンバー復活のきっかけとは?

1995年3月に公開された『スラムダンク 湘北最大の危機! 燃えろ桜木花道』は、海南高校戦とその翌週の武里高校との試合の間の期間で行われた、原作ではいっさい語られていないとある練習試合の様子が描かれている。

海南との試合に敗れ、意気消沈の湘北メンバー。なかでも自分のパスミスで負けたことを後悔する花道は、髪型を坊主にし、気合を入れ直していた。海南戦を引きずるメンバーに刺激を与えるため、新設の緑風高校との練習試合を組む安西監督。しかし主将の赤木をケガで欠く湘北は、マイケル沖田ら全国から集められた実力者相手に苦戦を強いられてしまう。

“メガネくん”こと木暮が意識を失うほどの体を張ったプレーでチームを鼓舞する姿を見せ、のちの陵南戦での活躍をほのめかす伏線が張られているこの試合。また桜木が、ケガをおして出場した赤木へのアシストを決めて試合が終わるなど、海南戦の失敗を乗り越える描写もあり、前後をつなぐ意味のある1作となっている。

■流川の魅力が光る、インターハイ直前のとあるエピソード

そして1995年の夏に公開された4作目『スラムダンク 吠えろバスケットマン魂!! 花道と流川の熱き夏』は、原作ではインターハイ予選を勝ち抜いたあとから本大会に向けた1か月間で起きたあるストーリーが語られる。

本作の主人公は、湘北のエースである流川の中学時代の後輩、水沢イチロー。彼は膝の病で手術が必要で、バスケ選手生命を断たなければいけなかった。そんな時、最後に「流川とバスケがしたい」というイチローの願いを叶えるべく、姉の茜は中学時代の同級生、晴子に相談。紅白戦という形でプレーが実現する。

原作との直接的なつながりはないが、キャラクターの魅力が深掘りされている今作。特に流川はイチローと同じチームになることを拒否して敵としてプレーしたり、試合後は無言でシャツを渡したりと、無骨だが仲間想いで熱い一面が際立っていた。

『THE FIRST SLAM DUNK』では、これらのように原作の空白が描かれるのか。それとも原作での名場面が描かれるのか。これまでの4作はどれも30分ほどと観やすいので、ぜひチェックしてみてほしい。

文/サンクレイオ翼
 
   

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