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どうして日本人は湯船につかる?入浴指導士が教える日本の入浴文化とお風呂の楽しみ方

教えて!gooウォッチ

毎日湯船につかる習慣のある人は、どのくらいいるだろうか。肌寒くなると、夏場シャワーだけで済ませていた人も、温かいお風呂が恋しくなるのではないか。「教えて!goo」にも「どのくらい湯船につかりますか?」と、その頻度を問う質問が寄せられている。日本は湯船につかる習慣のある世界でも珍しい国。どうして湯船につかる習慣があるのか、また理想的な入り方はどのようなものなのか、入浴師同士の一条ライトさんに教えてもらった。

■ 豊富な水資源が支える日本の入浴文化

そもそも、どうして日本には湯船につかる入浴習慣があるのだろうか。

「水資源が豊富な火山国という日本独自の地理環境が、そのような入浴習慣を作り上げたといわれています。日本は国土面積の7割を山林が占め、川や地下水などの豊富な水資源を育んでいます。この豊かな水資源が心身の汚れを落とす沐浴(もくよく)や禊ぎ(みそぎ)などの宗教的文化につながっていったとされています」(一条さん)

禊ぎとは、リラックスする入浴とほど遠い印象だが……。

「日本は世界的にも珍しい4つのプレートが重なる火山国です。地熱と豊富な水資源は多くの温泉を生み出します。昔の人々は生活の身近にあった温泉につかった結果、その恩恵に気づきました。それが健康増進や病気の回復を目指すという生活文化につながったとされています」(一条さん)

温泉が生まれたことが湯船につかるきっかけとなったのだ。

■ 入浴タイムを効果的に使うには

現代では、朝お風呂に入る人もいるだろう。朝晩の理想的な入浴方法は、入浴後の行動によっても左右されるようだ。

「朝の入浴は、体のスイッチを入れたいので42度のお湯に5分間、肩までつかる全身浴がおすすめです。時間がとれないときは、42度のシャワーを全身に1分間浴びていただいてもかまいません」(一条さん)

朝なら1分のシャワーでも体のスイッチはオンになるのだという。夜の入浴は就寝時間を考えて入浴すると睡眠の質が向上するようだ。

「夜は体のスイッチをオフにしたいので、夕食の1時間後に入浴し、38~40度のお湯に15分間肩までつかる全身浴をしてください。入浴後1時間後に就寝するという流れが理想的です。38度のお湯に15分間肩までつかると副交感神経が働きやすくなります。副交感神経は心身をリラックスさせる働きがあり、主に夜間の睡眠時にしっかり働かせたい神経です。38度がぬるく感じるときは温度を上げてもよいでしょう」(一条さん)

副交感神経が働くことで、血圧が下がり、脈拍の高まりを抑える。また筋肉が緩み、胃腸が活発に動き出す。こうして体が就寝に向けて準備をするのだ。浴槽につかるメリットはこれだけではないというので更に聞いた。

朝の慌ただしい時間にはシャワーだけでもかまいませんが、浴槽につかるとメリットが沢山あります。日中の眠気の改善、全身の血流の改善、疲労回復、肩こりや冷えなどの不定愁訴(ふていしゅうそ)の改善、美肌、便秘や下痢の改善、免疫の向上、効率の良いダイエット、幸福度の向上が期待できます」(一条さん)

長風呂や1日数回の入浴は乾燥肌を導き炎症や、かゆみの原因になるという。また運動後すぐ入浴すると疲労回復しにくくなるので注意が必要とのことだ。

豊富な水資源と地熱によって、湯船につかる入浴は日本人にとって欠かせない文化となった。つい長風呂してしまうことがないよう、正しい知識を持つことで、心身の健康につなげたい。


●専門家プロフィール:一条ライト(日本入浴協会、認定入浴指導士)
日本入浴協会とは、日本唯一のお風呂に特化した専門団体。入浴の効果、歴史などを科学しまとめた唯一の入浴検定の実施や、入浴の専門家、入浴指導士を育成する。入浴検定のテキスト「お風呂の正しい入り方」は健康、美容、歴史、文化等のすべてを網羅している。Instagramでも、入浴の講座や資格などの情報を発信している。

画像提供:ピクスタ

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

 
   

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