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中絶が違法だった1960年代フランス 妊娠を告げられ動揺する女子大生 「あのこと」本編映像

映画スクエア

 12月2日より劇場公開される、2021年のヴェネチア国際映画祭で、審査員の満場一致で最高賞である金獅子賞を受賞した映画「あのこと」から、労働者階級の家庭に生まれながら、頭脳明晰(めいせき)で将来が期待されている女子大生アンヌの人生が一転するシーンを切り取った、本編映像が公開された。

 女子大生のアンヌは、生理がこないことにわずかな不安を抱き、思い切ってかかりつけの病院で検診を受ける。次々と投げかけられる医師の質問に、表情を崩さずにうそを交えながら答えるアンヌに、医師はあっさりと「妊娠してる」と告げる。「何とかして」と動揺して医師に詰め寄るアンヌに、医師は「無理な相談だ。私以外の医師でも違法行為になる」と中絶処置をきっぱり断る。さらに、追い打ちをかけるかのように、「最悪の事態も起こり得る。毎月のように運を試して激痛で亡くなる女性がいる」と、違法な中絶手術の危険性を突きつけるのだった。

 映画の舞台である1960年代のフランスでは、人工妊娠中絶は法律で禁止され、何らかの処置を受けた女性や処置を施した医師や助産師、さらに助言や斡旋した者までに、懲役と罰金が科せられていた。世の中は「中絶」という言葉すら発することのできない空気に満ちており、人々は「あのこと」と暗に表現するしかなかった。映画の中でも直接的な言葉は使われず、アンヌが経験していることはタブーであることを示している。

 誰にも助けを求めることができない爆弾を抱えながら、ひとりで明るい未来を守り抜く方法を探っていくアンヌについて、オードレイ・ディヴァン監督は「彼女は戦争に向かう兵士なのです。彼女には世界を相手にする準備ができている。地に足を着け、まっすぐ前を見つめ、反逆者としての地位と、社会から重荷を背負わされることの意味を受け入れなければならないから」と説明している。

 「あのこと」は、1960年代の、法律で中絶が禁止されていたフランスを舞台に、望まぬ妊娠をした大学生のアンヌが、自らが願う未来をつかむために、たった一人で戦う12週間を描いた作品。監督を務めるのは、女性のオードレイ・ディヴァン。主演は、「ヴィオレッタ」のアナマリア・ヴァルトロメイが務めている。本年度のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーが、自身の実話を基に書き上げた「事件」を原作としている。

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【作品情報】
あのこと
2022年12月2日(金)Bunkamura ル・シネマ他  全国順次ロードショー
配給:ギャガ
© 2021 RECTANGLE PRODUCTIONS – FRANCE 3 CINÉMA – WILD BUNCH – SRAB FILM

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