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『舞いあがれ!』スランプの目黒蓮に福原遥が寄り添う 個々が抱える問題も浮き彫りに

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『舞いあがれ!』写真提供=NHK

 帯広でのフライト課程は早くも後半。舞(福原遥)は、柏木(目黒蓮)に手伝ってもらい飛行訓練をシミュレーションする。段ボールで作った操縦桿を握り、舞は飛行中を思い浮かべて一つ一つの手順を再現。柏木も同乗する教官や管制官に扮して舞を手助けする。

 参考:【写真】父について話す柏木(目黒蓮)と舞(福原遥)

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第44話では訓練生の抱える問題が明らかになった。飛行区域が急きょ変更され、舞のチームは慣れない空域を飛ぶことに。しかし、操縦を志願した柏木は目的地を見失ってしまう。飛行後のデブリーフィングで、柏木は大河内(吉川晃司)に「間違いを指摘されて、それをすぐに認められなかった」「自分を過信する人間はパイロットに向いていない」と言われてうなだれる。

 完璧に見えた柏木の失敗は周囲にも驚きだった。肩を落として負のオーラに包まれる柏木は、これまで順調だった分ショックも大きいのだろう。復調の兆しは見えず、柏木は本格的にスランプに陥り、訓練でロストポジションを重ねる。舞は絶不調の柏木を心配して言葉をかけるが、柏木は「君に話したところで何が解決するって言うんだ?」「君らと一緒にしないでくれ」とはね付けてしまう。

 柏木のスランプは深刻だ。自分で何とかしようとするほど抜け出せなくなる悪循環にはまっている。原因は自分でも察しているのだろうが、失敗と真摯に向き合わず、周囲の意見に耳を貸さない態度が不調に輪をかけている。それがチームプレイに影響するとなれば、放置しておくわけにいかない。けれども、柏木は舞だけでなく間に入った水島(佐野弘樹)とも衝突し、チームは崩壊状態に陥る。

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 気象予測で意見の割れたチームに、大河内は「意見をまとめられないようなチームに安全なフライトができるわけがない」と告げた。柏木の中にある過信を大河内は見抜いているのだが、あえて干渉しないのは、舞たちがここからどう立て直すか見ているのだろう。

 華麗に空を飛ぶその裏側で、個々が抱える問題も浮き彫りになった。中澤(濱正悟)は妻と1週間連絡が取れず落ち込んでいたが、そんな中澤に倫子(山崎紘菜)は「ほんとおめでたい」とため息をもらす。中澤の妻が応援すると言ったのは夫としての務めを果たすことが前提だが、家庭を放り出して訓練に明け暮れる中澤に愛想が尽きたとしてもおかしくはないのだ。

 乱気流に巻き込まれた舞たちだったが、気持ちが高ぶるシーンもあった。2人きりでフライトの練習をする舞と柏木は、手をつなぎランディングのイメージを共有する。柏木は国際線の機長だった父について話す。柏木が家族の話をするのはこれが初めてで、その相手が舞だったことは何を意味するのだろうか。舞に対しては素直になれる柏木が、どうにかしてスランプを乗り越えることを願うばかりだ。(石河コウヘイ)

 
   

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