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「女性がスポーツ界で活躍するには?」…“女性を取り巻くスポーツの環境をリデザインする”ために設立したZOOSのキーパーソンに聞いてみた

バスケットボールキング

◆女性の働きやすさで日本は残念な結果に。スポーツ界は?

 今やあらゆる場面で耳にする機会があり、考えることも多くなったSDGs(持続可能な開発目標)。それを実現可能な社会に構築するために女性の活躍が不可欠であることは、今や世界中の国々や社会の中で認識されている。Twitter、Instagram等のSNSのタイムラインも、働く女性の姿、その声が発信され、“働く女性”をテーマにした原作、脚本のドラマを目にする機会も本当に多くなった。

 日本国内においても機運の高まりは感じるものの、イギリスの経済誌『エコノミスト』発表の先進国を中心とした29カ国を女性の働きやすさで指標化したランキング(2021年版)によると、1位はスウェーデンで、日本は昨年に続き、下から2番目の28位と残念な結果となっている。女性の管理職割合、女性の労働参加率、男女の賃金格差などの10指標に基づいた評価において、2016年から同順位の日本は、女性が働きやすい環境という点において、世界水準との隔たりはまだまだ大きい。

 一般社会でも改善が必要な状況において、低賃金、長時間労働、体力勝負のイメージが強いスポーツ界では、女性が業界に定着するにはかなりハードルが高いのではないだろうか? この課題を解決するためのヒントを得るべく、2022年4月1日付で「女性を取り巻くスポーツの環境をリデザイン」していくことをミッションに掲げ設立されたZOOS(ズーズ)合同会社の代表桂葵さんと、チームマネージャーとして桂さんを支える安田美希子さんにお話を伺った。

◆大手商社を退社し、FIBA 3×3 Women’s Seriesに参戦する桂葵さん

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 桂さんは転勤族の父のもと、国内外を転々とする幼少期を過ごす。小学校の3年間をドイツ・ハンブルクで過ごし、帰国して兄の練習についていくうちにバスケットボールに惹かれ、その世界へと足を踏み入れることになる。恵まれた体格とセンスで、その才能は開花した。高校には女子バスケ界の名門桜花学園高校へ進学。同校を卒業後、早稲田大学社会科学部へ進むと、4年次に全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)優勝とMVP獲得するなど大活躍を見せた。

 しかし、卒業と同時に競技を引退し、新卒で大手商社へと入社することを決断。一度離れたバスケ界だったが、何となく参加したストリートバスケットボールに魅了され、3年のブランクを経て3×3で競技に復帰を果たすと、商社マンとの二足の草鞋で、2021シーズンには3×3プレミアリーグ優勝とMVP獲得するなど、ブランクを感じさせない活躍を見せた。その後、約7年間勤めた商社を退職し、日独合同クラブ「Düsseldorf ZOOS」を設立し、世界最高峰の3×3プロサーキット「FIBA 3×3 Women’s Series」へ参戦している。

◆その人その人が幸せを感じることが大事

 異色の経歴を持つ桂さんだが、子どもの頃の夢は、父親が世界をまたにかけるビジネスマンだったこともあり、「薄っすらと世界で活躍できる人材になりたいと思っていた」と語る。夢を実現し、大手商社に就職も、30歳を目前としたタイミングでの退職、競技生活を継続しながら、自らクラブを立ち上げ代表を務めることとなる。大きなチャレンジとなったと想像できるが、その心境を問うと「自分は思い切って、仕事を辞めてよかったと思っている」と意外な回答。続けて「前職は仕事として非常に楽しかったが、想像がつく人生でしたし、冒険してみてよかったと思っています」と笑顔を見せた。

 2024年に開催されるパリオリンピックを視野に入れたことや、「FIBA 3×3 Women’s Series」の大会のレギュレーションが変更され、民間クラブでも参戦可能となったことなど周囲の環境変化もあった。加えて、桂さん自身が今年、30歳を迎える年齢になったことも、商社を退社し新たな挑戦に踏み切った大きな理由だという。

 女性にとって、結婚や出産などライフステージが大きく変わるタイミングは、男性以上に生活環境の変化を伴うこととなる。桂さんは「将来、いつ子どもが産みたくなるかわからないし、産みたくないかもわかりません」と前置きしつつ、「いつ環境が変化するか分からないからこそ、3×3と向き合う時間を増やしたい。30歳という区切りに、いつ死ぬか分からない。『後悔のない人生を送っているか?』という自問自答がありました」と退職理由を語った。

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