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『舞いあがれ!』吉川晃司×『教場』木村拓哉 生徒に“責任”問う2人の教官の共通点

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『舞いあがれ!』写真提供=NHK

 夢と希望を胸にパイロットの道へーー。現在、『舞いあがれ!』(NHK総合)のヒロイン・岩倉舞(福原遥)、柏木弘明(目黒蓮)、水島祐樹(佐野弘樹)たちは航空学校帯広分校にて、フライト課程に取り組んでいる。

 そんな彼女たちの大きな壁となっているのが、元航空自衛隊戦闘機パイロットの教官・大河内守(吉川晃司)だ。まだ、人間味があり、優しさも感じた都築英二教官(阿南健治)とは正反対のスタイルで、生徒たちの指導を行っている大河内。感情の起伏がなくて厳格、その“静かさ”が逆に怖い……。確かに、宮崎本校編での初登場時からその気配はあった。サングラスをかけた彼が、都築教官と電話で会話をしたときのこと。

「今回もなかなか面白い子たちですよ」(都築)
「パイロットに面白さは不要です」(大河内)
「みっちり指導してやってください」(都築)
「分かりました。ただし、指導するに値する人間なら……ですが」(大河内)

 こんな会話を聞くだけで「来週、大ボスじゃん!」と戦々恐々となったものだ。これから舞たちは、容赦なく学生を退学させると言われている鬼教官・大河内の厳しい指導に耐えられるのか。すでに問題は山積みのようだが、すべて解決できるのか? ただ、パイロットは人の命を預かる仕事。ひとつのミスで大きな事故になりかねないため、彼の厳しさは必要だと思う。

 そんな中、SNSで話題となっていることがある。それは、2020年、2021年に新春SPドラマとして放送された『教場』(フジテレビ系)シリーズとの共通点である。木村拓哉主演、『踊る大捜査線』(フジテレビ系)などで知られる君塚良一脚本という最強タッグはもちろんのこと、それまでの木村のイメージとは一線を画す主人公・風間公親のキャラクターが話題となり、大ヒットした本作。2023年4月期には、前日譚となる連続ドラマ『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)の放送が発表されたばかりだ。

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 グレーヘアとサングラス姿がトレードマークの風間は、元神奈川県警捜査一課の刑事で、現在は警察学校の教官だ。感情を露わにすることがなく、常に冷静。生徒には理解しがたい指令、非常識な試練を与え、その場を立ち去ってしまう。そして「警察学校とは適性のない人間をふるい落とす場である」という考えのもと、トラブルを抱えた生徒には、退校届を突きつける非情さを併せ持つーー。生徒たちからすればたまったものではないが、彼ら彼女らは警察官になるため、必死になって食らいついていく。

 『舞いあがれ!』の大河内教官と『教場』の風間教官……まったく一緒だとは言わないが、グレーヘアのビジュアル、冷静さと厳しさが同居する教育スタイル、容赦なく学生を退学させる方針(あくまで大河内は噂レベルだが)、そして、彼らなりに哲学やプライドを持って職務をまっとうしているところなど、確かに似ている。

 そして、キャストにも類似点が。『教場II』にて、女子の中で少し浮いてしまっている忍野めぐみ役に福原遥、警察一家に生まれ育ち、冷静な観察眼を持つ杣利希斗(そまりきと)役に目黒蓮と、『風間教場200期』にあたる生徒として『舞いあがれ!』の出演者が名を連ねているのだ。目黒が演じる杣利と柏木に関しては、親が同じ職業に就いているエリート一家で、冷静な性格というのも似ているように思う。このように、警察とパイロットと職業は違えど、「共通点が多いと感じる視聴者がいる」というのも頷ける。

 ここでひとつの疑問が浮かび上がった。一見受け入れがたい大河内教官と風間教官だが、嫌いになれないのはなぜだろうか。冷徹で人間味を感じないし、もし自分の先生だと思ったらゾッとするのに……どうして?

 それは、彼らの“威厳”が視界を奪う霧となって隠れているが、2人の指導の根底には深い愛があるから、ではないだろうか。濃い霧の中で目をこらしてよく見てみると、生徒たちに「覚悟を持って今の職業を目指しているのか」と問いかける2人の想いが伝わってくるような気がする。

 これから、大河内教官は『舞いあがれ!』、風間教官は『風間公親-教場0-』にて、彼らの仕事に対してのスタンスやバックボーンが明らかになってくるだろう。そのとき、我々はどんな感情になるのか。(浜瀬将樹)

 
   

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