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最高金額約1億8100万円、英国でマーケットが開催

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最高金額約1億8100万円、英国でマーケットが開催

【合田直弘(海外競馬評論家)=コラム『世界の競馬』】

◆最高価格馬は三つ巴の争奪戦に

 11月23日から26日まで、英国のニューマーケットで開催された「タタソールズ・ディセンバーセール・当歳セッション」は、4日間を通じて活発なマーケットが展開された。

 上場された983頭が、総額で前年比12.6%アップの3525万5050ギニーで購買され、平均価格は前年比11.1%アップの4万7386ギニー、中間価格は前年比4.0%アップの2万5000ギニーとなった。

 バイバックレートが、前年の19.0%から今年24.3%に上昇と、いささかラフな一面もあったマーケットだったが、一方で、総売り上げと中間価格はこのセールにおける歴代最高をマーク、平均価格も5万1285ギニーだった2018年に続く歴代2位の数字で、極めて満足すべき結果であったというのが、市場関係者の見方である。

 最高価格馬は、セール3日目の25日に生まれた。

 上場番号1025番の父キングマンの牝馬がリングに登場すると、争奪戦がヒートアップ。最終的には、ジャドモント・ファームスのサイモン・モックリッジ氏、カタール・レーシングのデヴィッド・レッドヴァース氏、張月勝氏のユーロン・インヴェストメントの三者による争いになった末、ジャドモント・ファームスが100万ギニー(約1億8100万円)で購買に成功した。

 現2歳馬で、今季は5戦して、G1デューハーストS(芝7F)、G2シャンペンS(芝7F)、G3エイコムS(芝7F)と、3つの重賞を含む4勝を挙げたシャルディーン(牡2、父フランケル)の半妹にあたるのが同馬だ。シャルディーンを所有するのもジャドモント・ファームスで、同馬をジャドモントは20年のこのセールで、55万ギニーを投じて購買していた。

 来季の3歳クラシック最有力候補が上場され、しかも父はジャドモント繋養種牡馬のキングマンとあって、ここはライバル陣営に渡すわけにはいかないとの思いが強かったようである。モックリッジ氏は購買後、「ややコンパクトな馬格の兄(シャルディーン)に比べて、大柄に出ており、ことに後躯の発達が立派な馬。非常に楽しみな牝馬だ」と、コメントしている。

 この最高価格馬を筆頭に、高額馬の上から6頭までは全て牝馬で、このあたりはいかにもヨーロッパのセールらしい結果と言えそうである。

 また、最高価格馬を筆頭に、高額馬トップ5の6頭(第5位が同価格で2頭いるため)のうち、4頭を購買したのがジャドモント・ファームスで、その活発な購買ぶりが目立った。

 また、ジャドモント・ファームス同様に、旺盛な購買意欲を示してマーケットを支えたのが、総額で131万2000ギニーを投じ、7頭の当歳馬を購入したシャドウェル・エステイト社だった。

 シャドウェルは、マクトゥーム・ファミリーのシェイク・ハムダンが創設した競馬と生産の組織である。そのシェイク・ハムダンが、2021年3月24日に逝去。組織は、令嬢のシェイカ・ヒッサが継承することになったが、父の時代の規模を維持するのは困難として、昨年秋から繁殖牝馬や現役馬を大量に売却していた。

 規模縮小の方針のはずが、一転して反転攻勢をかけ、活発な購買を見せたことについて、先代の頃から組織のマネージャーをつとめるアンガス・ゴールド氏が、セール終了後にその背景を語っている。

「繁殖牝馬をたくさん処分した影響で、シャドウェルが所有する今年の当歳世代の数は、35頭にまで減少していました」。

「このセールの前に、シェイカ・ヒッサの意向を聞いたところ、現役馬の数をもう少し増やすことを希望されました」

「かつてのように、高額馬をたくさん買うことはありませんが、リーズナブルな金額で上質な若駒を入手できるなら、購買していこうという方針になったのです」。

 シャドウェルが購買した7頭のうち、最も高額だったのは、いずれも37万5千ギニー(約6787万円)がハンマープライスとなった、上場番号1074番の父ガイヤースの牝馬と、上場番号1067番の父フランケルの牡馬だった。

 シャドウェルはさらに、最終日に登場した上場番号1222番の父モハーサーの牡馬を、最終日の最高価格タイとなる11万ギニー(約1896万円)で購買した。同馬の父モハーサーは、シャドウェルの所有馬として、G1サセックスS(芝8F)を含む4重賞を制している。21年に種牡馬入りし、今年の当歳が初年度産駒となるが、現役時代の実績に比して、市場での評価が低いと感じたシェイカ・ヒッサやアンガス・ゴールド氏としては、買い支えずにはいられないという心境にかられての購買だったようだ。

 いずれにしても、シャドウェルが購買者としてマーケットに戻ってきたことは、産業界全体にとっての朗報であろう。

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