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ジャニーズ俳優の初主演映画と、そこに刻まれた彼らの魅力

キネマ旬報WEB

現在放送中のドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』が好評の〈Hey! Say! JUMP〉の山田涼介は、「暗殺教室」(15)で初主演を飾った。謎の生物“殺せんせー”を暗殺する使命を負わされた中学生たちを描いた本作で、主人公・渚を演じている。整った顔立ちなのに気の弱さと劣等感から自分に自信が持てない渚を、原作とはひと味ちがうナイーブさのある人物として表現。物語が進むにつれ、少年から男へと成長していくその姿は、Jr.時代から殊に努力家で知られる彼自身をも彷彿とさせるものがあった。

たおやかな空気感と柔和な風貌が人気の〈Kis-My-Ft2〉の玉森裕太も、ドラマを中心に着々と実績を積み上げている。初主演映画「レインツリーの国」(15)は、そんな彼のイメージを効果的に活かした良作だ。メールをやり取りするうちに、出会ったことのない相手の女性に惹かれる青年の心情を、繊細に情感豊かに演じている。また、低く穏やかな声で繰り出されるはんなりとした関西弁が、主人公のやや直情的な性格をうまく和らげているのも心にくい。
 
二宮和也、風間俊介など演技派ぞろいの三十代ジャニーズ俳優の中でも、とりわけ生田斗真は際立った存在感を放っている。彼がかつてジャニーズJr.だったことを知らない人も、もはや多いのではないだろうか。それくらい、ひとりの俳優として確固たる地位を築いている。Jr.時代の中盤から演技の道へ舵を切り、舞台で己を磨き、太宰治原作の映画「人間失格」(09)で演技者として大きく花開いた。このあまりにも有名な堕落文学の主人公、作者・太宰の分身的なキャラクターを、弱さと純粋さ、気高さと卑屈さを綯い交ぜて熱演。堕ちていけばいくほど聖性が増していく姿は痛ましいほど美しく、端的に言ってドハマリしていた。これで彼はジャニーズ初のキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞と、ブルーリボン賞新人賞をW受賞。以降、本格的に役者の道へ邁進していくのは周知のとおりだ。

アイドルとしても俳優としても光り輝くジャニーズのタレントたち。観る者の目を奪い、心を掴んで離さない彼らの演技の出発点を今だからこそ観ていただき、改めてその才能にハマってみてはいかがだろうか。

文=皆川ちか 制作=キネマ旬報社

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