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明治、大正のレトロ空間にタイムスリップ! 太宰治も宿泊、青森の登録有形文化財の宿「大鰐温泉 ヤマニ仙遊館」 【コラム:おんせん! オンセン! 温泉!】

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 今年もあっという間に12月ですね。年々時が経つのが早くなる気がします。12月は「師走」というように、なにかとせわしない月です。何をするにもせかされているような、浮足だった気持ちになりますよね。そんな時は温泉に入って、穏やかに過ごしたい、と思う方も多いのではないでしょうか。

 今回は、レトロな明治時代の建物が残る旅館、その時代にタイムスリップできるような、ゆったりとした気持ちで過ごせる宿、青森県の「大鰐温泉 ヤマニ仙遊館」をご紹介します。

 

 800年以上の歴史があり、津軽の奥座敷として、古くから親しまれてきた青森県の大鰐温泉。JR奥羽本線「大鰐温泉駅」を基点に、現在も十数軒の旅館や民宿、9軒の共同浴場が立ち並ぶ風情ある温泉地です。近くには「大鰐温泉スキー場」があり、これからの季節はウインタースポーツと温泉をセットで楽しむこともできます。

 「ヤマニ仙遊館」までは、大鰐温泉駅から歩いて約12分、タクシーなどを利用すれば、駅から3分ほどです。創業は1872年(明治5年)までさかのぼり、今年で150周年。現在の建物は1897年(明治30年)建築の歴史を誇り、「登録有形文化財」に指定されている貴重なものです。さまざまな著名人ゆかりの宿でもあり、明治天皇の側近や、伊藤博文、大町桂月、田山花袋、太宰治などの宿泊記録が残っているそうです。太宰治は、よほど想い出深かったのか、遺作である「人間失格」の中で、主人公の下宿先の名に「仙遊館」を使っており、この宿が由来と言われているそうです。こんなエピソードだけでも、心がその時代にタイムスリップしたような気持ちになれるから不思議です。

 

 浴室は、「浪漫の泉」と名付けられた男女別の内湯のみ。今年2022年、創業150周年を記念してリニューアルされたばかりの新しいお風呂です。大正時代の浴場を見事に再現し、雰囲気は大正ロマンそのもの。鮮やかで繊細な模様の美しい「和製マジョリカタイル」や、ステンドグラスをあしらい、当時の世界観を見事に作り出しています。この空間での湯浴みは、日々の喧騒(けんそう)から遮断され、大正時代にタイムスリップしたような夢心地。じっくりお湯に漬かっていると、時間の流れがゆっくり感じられ、さらに逆戻りするような感覚にもなり、いつの間にか日常で疲弊した心が癒やされているようでした。

 

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 泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。源泉は70度近くありますが、それを湯量調節のみで、加水も循環もせず「完全掛け流し」で湯船へ提供しています。

 

 無色透明のお湯は、うっすら石を焦がしたような鉱物臭を感じます。舐(な)めると薄い塩ダシ味で、上品なお吸い物のような味わい。泉質の通り、多様なミネラルが含まれ、ツルツル感の中にキシキシ感があり、さらには全身を包み込むような極上の湯触りを楽しむことができます。

 

 夕食は、宿の離れにあるレストラン「WANY」でいただきます。土蔵をリノベーションした館内は、アメリカンオールディーズが心地よく流れ、古き良き時代を演出しています。

 この日のメニューは、地元の名物「大鰐温泉もやし」の豆ポタージュ、青森産ホタテやマグロの刺し身、大鰐自然村の生ハムサラダ、青森県産米「まっしぐら」など、地元の食材をふんだんに使った食事が彩りました。素材そのものからおいしく、体の内側からも癒やされるようでした。

   

 何かと忙しい師走。街中の人たちが、皆急いでいるような慌ただしさを感じます。温泉旅は、せかせかして疲れた心を癒やすのに抜群の効能があります。さらにレトロな空間に身を置き、タイムスリップしたような気分を味わうことで、本来の「心のゆとり」を取り戻せるのではないでしょうか。そんな気持ちで年の瀬を迎えたいものですね。

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