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【橋本英郎】失点シーンの伏線となっていた吉田のミス。怒鳴ってでも「危険だ」と周りが伝えるべきだった/W杯

SOCCER DIGEST Web

 ワールドカップ(W杯)の第2戦。コスタリカ戦は終盤の失点で0-1の敗戦と、残念な試合になってしまいました。今回の敗戦の原因について考えていきたいと思います。

 試合のポイントは、4つあったと見ています。

①試合のペースを握れない
②チャレンジ精神
③個の優位性
④得点の匂い
 
【ポイント①:試合のペースを握れない】
 コスタリカ戦の試合開始前まで、相手のやり方が分かっていなかったかもしれません。引いて守ってくるのかボールを奪いに出てくるのか――。

 結果として、引いてきましたが、日本はそのコスタリカの戦い方に付き合ってしまいました。それに対してのプランが明確になかったように感じました。

 この問題は前節のドイツ戦でも感じていました。前からプレスを掛けようとしていましたが、なかなかうまくハマらず、ずるずる引いてしまいやられてしまいました。前半を自分たちのゲームリズムではなく、相手チームのリズムで進めてしまうというゲーム展開を、このコスタリカ戦でも繰り返していたのです。

 コスタリカ戦では失点しそうな危険な場面をほとんど作られませんでしたが、チャンスが生まれない、両ゴール前の攻防の少ない緩い時間が過ぎる流れになっていました。観ている側も、W杯の他の試合の展開・リズムとは違うことは感じられたと思います。日本としては得点したい気持ちもあるが、リスク管理を意識している選手も多くいたように感じました。

【ポイント②:チャレンジ精神】
 ①の延長線になりますが、リスクを冒したプレーは、前半は特にありませんでした。後半立ち上がりは監督の交代策で活性化しましたが、長い時間続きませんでした。

 その後も交代選手をどんどん出していき、攻撃的に変化させる意図が見えましたが、縦パスの本数や裏へのボールは少なかった。簡単に奪われるリスクもありますが、怖さのある攻撃はなかなか繰り出せませんでした。

【ポイント③:個の優位性】
 分かりやすいシーンが、試合開始早々の相馬勇紀選手のドリブル突破。後半の三笘薫選手のドリブル突破です。確実に1対1で勝てていました。

 3トップの一角で出た伊東純也選手も自ら突破してチャンスを作り出しました。優位性があるポジション、形を見抜いて、その形を作るように中盤の選手、最終ラインの選手にはもっとチャレンジして欲しかった。

 3バックの一角に入った伊藤洋輝選手は色々工夫して作ろうとしていました。一度、伊東選手へのロングパスで突破できそうなシーンがありました。ただ残りは三笘選手のところをなんとかしようと苦闘しているように見えました。

 三笘選手の1か所だけでなく、他の優位性のあるポイントへ案内するようにボランチや吉田麻也選手からもミドルパス、ロングパスも出していくべきでした。敵DFが後ろ向きに守備をしないといけないシーンを作れなかったことが得点に繋がらなかった一番の原因だと思いました。
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【ポイント④:得点の匂い】
 失点シーンは、吉田選手のクリアからでしたが、そのシーンの前にも吉田選手からダイレクトのパスをパスカットされて危険なシーンになりかけた瞬間がありました。
 
 その際にリスク管理として周りの選手がミスに対して怒鳴ってでもそのようなプレーは危険だと伝えるべきでした。この試合を通じてコスタリカは自陣深くからチャンスの形は作れる状況ではありませんでした。

 だからこそ、コスタリカ側からすると攻撃→守備→攻撃の連続で日本がバランスを崩した際にしか、チャンスを見出せませんでした。そのチャンスを一度だけでなく、二度も与えてしまい、二度目で仕留められてしまいました。

 多くのみなさんが一度のピンチで失点したと思われたのではないでしょうか。しかし、ゴールになる前に伏線となるシーンが、すでに起きていました。しかもそのミスシーンは、時間的にも得点シーンから遡って、短いスパンで起きていました。

 チャンスの匂いをコスタリカは嗅ぎつけていたように感じました。失点シーンの前には日本にも何度かチャンスがあったので、「行ける」という油断が出てしまっていたからかもしれませんが、「ピンチの後にチャンスあり」をコスタリカは理解していました。

 この敗戦によってスペインに勝たなければグループステージ突破は難しくなったと思いますが、はたしてどのようにして勝つのか。これから森保一監督はメンバー選考・攻撃パターンを考えていくと思います。

 攻撃的なアクション(交代)はW杯に入ってから積極的になりました。あとはピッチ上で試合中に変化を出せるようになってほしいです。

 勝つことを願って応援します。

<了>

橋本英郎

PROFILE
はしもと・ひでお/1979年5月21日生まれ、大阪府大阪市出身。ガンバ大阪の下部組織で才能を育まれ、1998年にトップ昇格。練習生からプロ契約を勝ち取り、やがて不動のボランチとして君臨、J1初制覇やアジア制覇など西野朗体制下の黄金期を支えた。府内屈指の進学校・天王寺高校から大阪市立大学に一般入試で合格し、卒業した秀才。G大阪を2011年に退団したのちは、ヴィッセル神戸、セレッソ大阪、AC長野パルセイロ、東京ヴェルディでプレー。2019年からJFLのFC今治に籍を置き、入団1年目で見事チームをJ3昇格に導く立役者のひとりとなった。2021年5月2日の第7節のテゲバジャーロ宮崎戦で、J3最年長得点(41歳と11か月11日)を記録。2022年は関西1部リーグ「おこしやす京都AC」に籍を置いた。日本代表はイビチャ・オシム政権下で重宝され、国際Aマッチ・15試合に出場。現役フットボーラーとして奮闘する傍ら、サッカースクールの主宰やヨガチャリティー開催など幅広く活動中だ。173センチ・68キロ。血液型O型。

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