top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

太陽系外惑星の中には、ヘリウムを豊富に含む大気に包まれている惑星が存在する可能性

カラパイア


 我々が住む地球と同じような環境をもった惑星は存在するのだろうか?天文学技術の進歩により、現在では、はるか彼方の星を周回している何千もの惑星が存在することが分かっている。

 最新の研究によると、この宇宙に存在する太陽系外惑星の中には、ヘリウムを豊富に含む大気に包まれた惑星があるという。太陽系惑星の大きさに偏りがある理由は、ヘリウムの量に関連しているというのだ。

 この発見は、惑星の進化に関する我々の理解に新たな一歩をもたらすかもしれない。

太陽系外惑星の大きさの偏りの謎

 太陽系外惑星が初めて確認されたのは、ようやく1992年のことだ。太陽系の外にある惑星を見つけるのにこれほど時間がかかったのは、恒星の光で隠されてしまうからだ。

 そこで天文学者らは、独創的な太陽系外惑星の発見方法を考案した。惑星が恒星の前を通過するときの光のかげりを調べるのだ。

 この方法によって、今では太陽系の外でも、惑星はありふれた存在であることがわかっている。

 少なくとも太陽のような恒星の半分には、地球から海王星くらいまでの大きさの惑星が1個はある。 こうした惑星には、恒星周囲のガスや塵から誕生したときに集められた、「水素」や「ヘリウム」の大気があるだろうと考えられている。

 だが、不思議なのは太陽系外惑星の大きさが2つのグループに偏っていることだ。1つは地球の1.5倍くらい、もう1つは地球の2倍以上の大きさで、なぜかその中間はほとんどないのだ。

 この大きさの偏りは、「半径の谷(radius valley)」と呼ばれている。そしてこの謎を解くことは、こうした惑星の形成や進化の理解につなるだろうと考えられている。

photo by Pixabay

太陽系外惑星の大きさに偏りとヘリウムの関連性

 ある仮説によると、太陽系外惑星の大きさの偏り(半径の谷)には惑星の大気が関係しているのだという。

 恒星のそばは非常に過酷なところで、そこにある惑星はつねにX線や紫外線を大量に浴びせられる。そのせいで大気がはぎとられ、小さな岩石の核しか残らないと考えられるのだ。

 そこで米ミシガン大学博士課程の学生アイザック・マルスキー氏とシカゴ大学の宇宙物理学者レスリー・ロジャース氏らは、この、惑星の大気がはぎとられる「大気散逸」と呼ばれる現象を調べてみることにした。

 彼らは、熱と放射線が惑星の大気に与える影響を理解するために、惑星のデータと物理法則からモデルを作成し、これに基づき7万回分のシミュレーションを行った。

 その結果、惑星形成から数十億年も経過するころには、原子の質量が小さな水素はヘリウムよりも先に失われるだろうことが判明したという。

 そうした惑星の大気は、質量の4割以上がヘリウムで占められている可能性があるそうだ。

大部分がヘリウムで占められた大気を持つ太陽系外惑星のイメージ図。最新の研究によると、こうした惑星は宇宙でありふれた存在であるという/ image credi : NASA/JPL-Caltech /

惑星の形成・進化の理解は、地球外生命発見のヒント

 研究チームによれば、この結果が正しいのかどうか確認することもできるという。

 最近打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などの高性能望遠鏡ならば、惑星の大気に含まれる元素の種類や量を確認できるだろうからだ。

 もしもマルスキー氏らの仮説が正しければ、ヘリウムが多い惑星は、小さな惑星グループに属しているはずだ。

 なぜなら、ヘリウムの蓄積は、大気が徐々に剥ぎ取られて惑星が小さくなるのと同時進行するからだ。

 一方、ヘリウムだけでなく水素がまだ残っている惑星の場合、その大気は大きく膨れている。だから大気が残っていれば、大きな惑星グループだろうと考えられる。

 こうした惑星はいずれも高温で、激しい放射線にさらされ、しかも大気が高圧である可能性が高い。そのため、生命の発見はあまり期待できなさそうだ。

 しかし、惑星の形成プロセスを理解すれば、どのような惑星が存在し、それがどのような姿をしているかより正確に予測できるようになる。

 それは生命を宿した太陽系外惑星を探すうえでも役に立つとのことだ。

 この研究は『Nature Astronomy』(2022年11月17日付)に掲載された。

References:Many planets could have atmospheres rich in helium, study finds / written by hiroching / edited by / parumo

TOPICS

ランキング(動画)

ジャンル