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批評家が選ぶ、ティム・バートン監督作ランキング!“フレッシュ”なおすすめ10選

MOVIE WALKER PRESS

子どもも大人も楽しめるダークな世界観と個性あふれる魅力的なキャラクター造形で、日本でも絶大な人気を誇るティム・バートン監督の作品。大学時代にアニメーションを学び、ウォルト・ディズニー・スタジオのアニメーターとしてキャリアをスタートさせたバートン監督は、実写とアニメの両方の良さを活かした作品で唯一無二の世界を築きあげてきた、まさに“二刀流”の映画作家だ。

短編アニメ『ヴィンセント』(82)で商業監督デビューをしてからちょうど40年。これまで彼が手掛けてきた長編映画は全部で19本。どれも奇妙奇天烈な独自の世界観が際立った作品ばかりで、一度観たら忘れることのできないほどのインパクトを放つ。そこで本稿では、そのなかから映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」で批評家からの評価が高い10作品を一挙に紹介していきたい。

「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。

中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されるように。映画館に掲示されたポスターに堂々と輝くトマトのマークを見たことがある方も多いだろう。

それでは、ティム・バートン監督作品の“フレッシュ”10傑を挙げていこう。

■93%フレッシュ『エド・ウッド』(94)
■89%フレッシュ『シザーハンズ』(90)
■87%フレッシュ『フランケンウィニー』(12)
■87%フレッシュ『ピーウィーの大冒険』(85)
■86%フレッシュ『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(07)
■85%フレッシュ『ビートルジュース』(88)
■84%フレッシュ『ティム・バートンのコープスブライド』(05)
■83%フレッシュ『チャーリーとチョコレート工場』(05)
■81%フレッシュ『バットマン リターンズ』(92)
■75%フレッシュ『ビッグ・フィッシュ』(03)

もっとも高い93%フレッシュの評価を獲得したのは、カラー全盛の時代にあえて白黒で勝負した意欲作『エド・ウッド』。1950年代に活動し、“史上最低の映画監督”と呼ばれたエド・ウッドの映画人生を描いた一本だ。

一般的にイメージされるバートン作品の雰囲気とは少々異なる趣を携えたモノクロの画面。それでも“らしさ”は至るところに現れており、なによりもエド・ウッドという異質な映画人をこよなく敬愛するバートンの映画愛がはっきりと見える作品となっている。バートン監督のクリエイションの原点がわかるといっても過言ではない傑作で、劇中でベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーはその年のアカデミー賞助演男優賞を受賞。同じくメイキャップ賞にも輝いたことも本作の価値を裏付けている。

『エド・ウッド』で主人公のエド・ウッド役を演じたジョニー・デップは、言わずもがなバートン作品には欠かせない存在。高評価リスト内では、初タッグ作品となった『シザーハンズ』の89%フレッシュをはじめ、86%フレッシュの『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』、84%フレッシュの『ティム・バートンのコープスブライド』、83%フレッシュの『チャーリーとチョコレート工場』と計5作品が入る“黄金タッグ”。惜しくもリスト内に入らなかったが、『スリーピー・ホロウ』(99)も必見だ。

また、87%フレッシュの『フランケンウィニー』は1984年に手掛けた短編アニメーションをセルフリメイクした作品。事故で愛犬を亡くした少年が、科学の力を使って愛犬を蘇らせることから始まる騒動を描いたダークファンタジーで、バートン作品のファンならば絶対に押さえておきたい傑作。ちなみにオリジナル版の短編アニメも配信やBlu-rayなどで観ることができるので、あわせてチェックしてみるのも一興。

人気監督としての地位を絶対的なものにした2000年代の作品はもちろんのこと、初長編作品としていまなおカルト的人気を誇る『ピーウィーの大冒険』や、“バートンらしさ”がよくあらわれた『ビートルジュース』、さらには『バットマン リターンズ』(1作目も73%フレッシュの評価を得ている)といった初期作品も満遍なく高評価を獲得。何年経っても揺るがないどころかより研ぎ覚まされていくその個性は、ほかの監督の作品では決して味わえないものだ。

75%フレッシュの『ビッグ・フィッシュ』は、そのなかでも少々意外な作品といえよう。ファンタジー作品であり、バートン作品によく見られる個性的なキャラクターは登場しながらも、極めて正攻法で父と子の感動的なドラマを演出する。心打つストーリーや台詞に、ロマンティックなシーン。これはもしかすると、バートン作品のキャリア前半の一つの集大成なのだろう。その次に手掛けた『チャーリーとチョコレート工場』以降の個性の弾けっぷりを観ると、尚更そう思わずにはいられない。

映画での次回作の予定はまだ明らかになっておらず、『ビートルジュース』の続編企画への関与もまだ不透明な状態と報じられている。そんななか、11月23日に配信開始となったのがバートン監督・製作総指揮によるNetflixシリーズ「ウェンズデー」。1990年代前半に人気を博した実写映画版や、近年製作されたアニメ映画版でもおなじみの「アダムス・ファミリー」に登場したウェンズデーを主人公にした作品だ。

見るからにダークな世界観は、まさにバートン監督の作風にぴったり。また、かつての実写映画版でウェンズデー役を演じていたクリスティーナ・リッチが本作にも出演しており、バートン監督とのタッグは『スリーピー・ホロウ』以来。バートン監督ファンにとってはたまらない再タッグが実現した。何度観ても色褪せない個性を携えた過去の傑作と、新境地となるドラマシリーズ「ウェンズデー」で、バートン監督の唯一無二の世界を存分に味わってほしい。

文/久保田 和馬
 
   

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