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衝撃的すぎた「金子誠、来季ロッテコーチ就任」。新天地で理想の野球の実現を【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#187】

ベースボールチャンネル

地味な印象になってしまった金子・武田コーチの退任

 オフである。ファイターズは松本剛が初のベストナインに選出され、伏見寅威のFA入団が決まり、エスコンフィールドをめぐるファウルゾーン騒動にも一応解決のメドが立ったところだ。このそれぞれにコラム1本書くだけの重さやバリューがあり、書くべきなのかなとも思う。特にファウルゾーン騒動に関しては筆者の見解を求める声もあるやに聞いている。
 
 だが、「金子誠ロッテ1軍戦略コーチ就任」にやられてしまった。今回は金子誠のことを書く。
 
 
※エスコンフィールドのファウルゾーン騒動についてざっくり触れておこう。僕は一介のファンであり、ライターなので「言われても知らんがな」である。「ホームベースとバックネットまでの距離が60フィートに足りない」ことを新球場のセールスポイントとして打ち出していた以上、その(制度面の)すり合わせは済んでいると思っていた。24日のオーナー会議後の会見では斉藤惇コミッショナーが「60フィートに足りなかったという結論そのものを私たちのほうで問題にしたわけではない」「プロセスがちゃんと踏まれていないということを問題にさせていただいた」「言葉は悪いが『黙ってやればいいんだ』というようなやり方では、せっかくの楽しい野球が皆で保てないので、一定の規律を示させていただいた」とコメント。つまり、話が通ってなかったということなのである。これはファンからすると非常に内部的なマターになってしまう。「内部的」がわかりにくければ政治的と表現してもいい。
 
※60フィート問題に関しては誤訳なのだろうと思う。日米の協約はファンもアクセスして、比較できる公開情報だ。レコメンドは「推奨する」の意で、今や日本でもなじみ深い言葉になっている。もし、これが誤訳ではなく、本当に「必要」なのだとしたらその根拠を示さねばならない。
 
※新庄剛志監督の「ファンの方たちからいちばん喜ばれる、そういう気持ちでつくった球場なのはわかってほしい。オレが子どもだったら近くで見たい」発言はちょっとピントがずれてると思う。おそらくだが、ファウルゾーン確保の前提にあるのは「選手の安全性」だと思う。またネット裏最前列で観戦できる「子ども」ってよっぽどええとこの子であって、大概のファンには縁がない。まぁ、だから元々、自分からは遠い話なのだ。遠くで決まったことが遠くで覆されたのだ。
 
 24日、ロッテから公式発表された金子誠コーチ就任の一報にイスから転げ落ちそうになった。村田修一1軍打撃コーチだって世間的には大ニュースなのだが、僕らファイターズファンには「金子誠」の名前は特別だ。まさかいきなり他球団のユニフォームを着るとは。いくら吉井理人新監督の縁でもそんなことが現実に起きるとは。それも同一リーグの「戦略コーチ」とは。
 
 このオフは渡邉諒、高濱祐仁⇔齋藤友貴哉、江越大賀のトレードや金子千尋の契約満了といったニュースに気を取られて、金子誠&武田勝両コーチの退任があまり注目されないというか、スルッと手触りなく抜けていったような印象がある。八木裕コーチや建山義紀、森本稀哲コーチの加入にスポットが当たったせいもあるだろう。
 
 武田勝コーチなんてもったいないと思うのだ。新庄ビッグボスの選手起用はかなり強引であったから、投手陣に関しては勝さんが防波堤になってくれるかなとイメージしていた。ユーモラスなキャラクターで調整役にはうってつけだ。ああ見えて芯が強いから、いざ困ったときは選手の側についてくれるコーチだったと思う。それがシーズン途中で2軍に配置替えになり、まぁ、若手の育成のほうがのびのびやれるかなと思っていたら退任になってしまった。僕らが「武田勝コーチ」に期待した仕事がぜんぜん形になってない。

鴎コーチ就任で、ちょっと不安になる理由

 金子誠コーチはファイターズ首脳陣の要だと思っていた。野村佑希など本当に慕っていたのだ。そもそも退任自体が寝耳に水だった。それがロッテのコーチ就任となると、頭が「?」とバグってしまう。
 
 金子誠という人は高卒ルーキーの1年目、多摩川グランド(なぜか「グラウンド」表記ではない)に姿を現したときから、あまりにも優秀で「将来、監督になる器」と新聞に書かれた人なのだ。1年目、「将来のレギュラー候補」ならわかるけど「監督」は珍しい。並のルーキーとはコメントが違った。若いのに自分の考え、スタイルを持っている。大型内野手で周囲から長打力が期待されたが、ぜんぜん色気は見せなかった。頑固で頼もしいワカゾーだった。
 
 だから「幹部候補生」だと思ってきたのだ。多くの読者も近い将来の「ファイターズ・金子誠監督」時代を想定しておられたんじゃないか。侍JAPANのコーチ就任はその将来につながる貴重な経験であるはずだった。
 
 僕はロッテのコーチ就任がいったん「よその飯を食う」ようなこととは思えない。よく企業の創業者一族の二代目、三代目がいったん同業他社などに就職して、苦労を知り、いずれは自社の然るべきポストに迎えられるみたいなパターンがあるじゃないか。結果的にそういうことになれば美しいが、そんな狙いがあるとは思えない。第一、ロッテに失礼だ。ロッテで成功して、手放してくれなくなることが今の「最上のゴール」である。
 
 僕はちょっと不安になっている。金子誠の判断が「ファイターズより野球を取った」のだとしたら、先行きに暗雲が立ち込める。まぁ、ファイターズと金子誠の人生が来年からどう激突し、火花を散らすのかわからないが、それも野球ドラマなのだろう。僕の知ってる金子誠は「屈しない男」だ。自分の理想とする野球をロッテで実現させるだろう。グラウンドで白黒つくと思う。しっかり野球を見ていればいずれわかることだ。
 
追記 三角山放送局(というかポッドキャスト)の「北海道日本ハムファイターズ金子誠の週刊マック」は番組名を変えて存続するそうです。これは朗報ですね。金子誠と縁が切れるわけじゃない。

 
   

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