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この丸鶏料理がすごい!中国料理のワザあり丸鶏を東京で味わう[広東・四川・吉林編]

80C[ハオチー]

「今日はみんなが集まるぞ!」

そんなうきうきした気分で家族や友人が一堂に会するとき、中国では丸のままの食材を使った料理がよく登場する。鮮度抜群の魚の蒸しもの、丸揚げ、丸鶏を使った料理など、特に魚介や家禽のかたちがある料理は盛り上がる。

豉油雞。醤油で色づいた鶏の皮色がなんともそそる。広東省順徳のレストランにて撮影。

そもそも市場がある地域では、絞めた鶏を一羽買うのは珍しいことではない。地域によっては、好みや調理法に合わせて鶏の種類を選べるし、なんなら生きたままの鶏を小脇に抱えて持ち帰る方もいる。

広東省佛山市の市場。家禽の専門店では、さまざまな品種の鶏、ガチョウが選べる。(2019年11月撮影) 雲南省昆明市郊外の市場にて。尻付近の脂肪や脚の状態を確認しやすいように並べてある。(2016年撮影)

また、郊外に店を構える農家レストラン(農家楽)では、地鶏を1羽絞めて食べるのが定番のごちそうだ。一羽をひとつの料理にすることもあれば、2~3種類の料理にしてもらうこともある。そこにはみんなで命をいただく喜びとありがたみ、円卓を囲む幸せがある。

重慶市郊外の農家楽(農家レストラン)にいた放し飼いの地鶏。ここでは豚も飼っていた。(2017年撮影) 貴州省都均市の農家楽(農家レストラン)。こちらは鶏を選ぶところから食事が始まる。(2018年撮影)

日本では、骨付きの肉は食べにくく敬遠される声もあるが、実は食味の面ではメリットも多い。文字通り、肉と骨が繋がっているため、火を入れても肉が縮みにくく、硬くなりにくいのだ。また、煮込むと骨からも出汁がでて、一緒に煮る食材に鶏のうまみを多く抽出することができるし、揚げたときの瑞々しい肉の食感もたまらない。

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言ってみれば、鶏のポテンシャルを引き出し、余すところなくいただき、食べる側のテンションもアゲてくれるのが丸鶏料理だ。そこで当記事では、「骨付き上等!」「丸鶏最高!」を合言葉に、東京で味わえる、ワザあり丸鶏料理をご紹介したい。

パリパリ&じゅわ~が同居する神業! 学芸大学『中華銘菜 慶(チン)』で食べる広東名菜・脆皮鶏(チョイペイガイ)

『中華銘菜 慶(チン)』の脆皮鶏(チョイペイガイ)。「鶏皮のぶにょっとした食感が苦手」という方はぜひこの鶏を食べていただきたい。写真は半身。

中国の南方に位置する広東省は「無鶏不成宴(鶏がなければ宴会が成り立たない)」といわれるほど鶏料理を重視し、愛する地域だ。

『中華銘菜 慶(チン)』は、そんな広東省にルーツを持つ梁慶彰さんの店。いつも地元のお客さんで賑わっているが、わざわざ食べに行きたくなるのが、この店の脆皮鶏(チョイペイガイ ※広東語読み。普通話でツイピージー|cuìpíjī)である。

脆皮鶏の“脆皮”とは、歯ごたえがありながらも、噛むとカリッ、サクッと軽快に弾ける皮の状態をいう。鶏皮をゆでたり煮たりした場合、ぶよっとした食感になり、焼き鳥の皮なら香ばしいのは表面のみであることが多いが、この鶏皮はパリパリの薄氷の如くガラス化しているのだ。

この食感を描くには、丸鶏に熱湯をかけて皮を張らせ、酢水に水飴を加えた“皮水”をかけ、しっかり乾かすという下準備が欠かせない。さらに調理時は鶏に低温の油を何度もかけ、じっくり、ゆっくりと熱を入れていく。そうすると、皮は破けずピカピカになり、肉にふっくらと火が通る。家庭でやるタイプの料理ではない。これぞ中国料理の技の結晶といえる丸鶏料理だ。

ガラス化した鶏皮に対し、肉はしっとりとジューシーに仕上がっている。相反する2つの食感を描く中華の技だ。半身で3,980円。2日前までに要予約。

梁慶彰さんが選んでいるのは、ほどよい弾力で味わいが濃く、焼き縮みしにくいといわれる銘柄鶏・伊達鶏。ひと口ほおばると、パリパリの皮と、清らかな肉汁を湛えた肉の両方の食感が一挙に弾けて、鶏とはこんな美味いものなのか…!とただただ幸せな気持ちになれる。

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