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森保“神”采配の真相 「耐えた前半」と「変えた後半」 歴史的金星を引き寄せた勝負の分かれ目

ABEMA TIMES

 森保監督は後半から選手交代とポジションチェンジを目まぐるしく繰り出していく。

 まずは左サイドのアタッカーとして先発した久保建英に代えて、冨安健洋を3バックの左に入れる。最初は右に酒井宏樹、左に長友佑都とウイングバックを前に上げたが、後半12分にFWの浅野拓磨と同時に三笘がイン。三笘は長友のポジション=左ウイングバックに入る。この交代で縦に勢いが出るようになった。さらに後半25分にはボランチの田中碧に代えて堂安が入り、鎌田大地がボランチに下がった。

 その4分後には南野拓実が酒井宏樹に代わって入り、ここで伊東は右シャドーから同サイドのウイングバックに回っている。前に堂安、浅野、南野が揃い、左右に伊東と三笘、ボランチの一角には鎌田という非常に攻撃的な布陣で勝負に出た森保監督。もちろんドイツにもチャンスがあり、GK権田修一の連続的なビッグセーブが無ければ、ドイツに追加点を取られて終わっていたかもしれない。

 しかし、途中出場した選手たちが守備のタスクを果たしながら、攻撃で個人の持ち味を発揮するという明快なメッセージが後半のピッチ上で表現された。同点ゴールは「最初の(ニクラス・)ズーレ選手の対応を見て、縦を警戒するのはわかっていた」という三笘が再び縦に勝負すると見せかけてから中に踏み込み、インサイドからナナメに飛び出した南野に優しいパス。ボールを受けた南野のシュート性のクロスはドイツの守護神マヌエル・ノイアーに弾かれたが、こぼれ球を堂安が押し込んだ。

 逆転ゴールは浅野の素晴らしいボールコントロールからの突破と、ニアハイを突き破るシュートだった。浅野は「(板倉)滉がボール持った瞬間に、あ、これ来るなって思いました」と振り返る。同じく9月に内側側副靱帯を痛めて、リハビリをしてきた仲間であり、一緒に過ごした時間も長かったという。リードしてからは5-4-1のブロックを作り、自陣に引き込んで跳ね返すプランに切り替えた。

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 アディショナルタイムは7分。最後はGKノイアーまで上がってきてのパワープレーに耐え抜いたが、歴史的な勝利をベンチから駆け出して祝福するジャージを着た仲間たちの姿に日本の一体感が凝縮されていた。後半の采配は見事だったが、「0-1ならなんでも起こり得るのがサッカーなので、それが今日起きた」と伊東が主張するように、うまくいかない中でも0-1で耐えた“前半”がもたらした勝利であったことも確かだ。

文/河治良幸
写真/Getty Images

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