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『silent』鈴鹿央士目線でこれまでを振り返る 湊斗が下した、8年越しの静かな決意

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『silent』©︎フジテレビ

 11月23日、サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で大金星をあげた日本。そして11月24日、ウルグアイ×韓国戦がフジテレビ系で放送されるにあたり、木曜劇場『silent』(フジテレビ系)が放送休止。しかし、12月1日放送の第8話は15分拡大というご褒美も待っている。1週空くのこの期間だからこそ、じっくり物語を振り返ることができる今、主人公の紬(川口春奈)と想(目黒蓮)ではなく、湊斗(鈴鹿央士)目線でのこれまでを前後編で深掘りしていきたい。

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■友達と好きな人の双方に真摯に向き合う湊斗

「すごく仲の良い友達とすごく好きな人だから嬉しかった。すごく切なくてちょっとだけ嬉しかった。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ嬉しかった」

 紬よりも先に失聴後の想に名前を呼びかけられた湊斗。8年前に想が理由も告げず、紬をある意味乱暴に託した相手もまた湊斗だった。

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 『silent』で描かれる“すごく仲の良い友達”と“すごく好きな人”の双方に真摯に向き合う湊斗の姿には胸を掴まれる。

 想と音信不通の8年間に何が起きていたかを知ってから、気持ちが追いつかなった湊斗。だが、きっと“主成分優しさ”の彼はその後すぐに考えただろう。なぜ自分は想と連絡が取れなくなった時に、もっとあの手この手を尽くさなかったのか。他にやれることはなかったのかと。

 紬と想の2人をずっと近くで見てきた湊斗からすれば、想が突然一方的に振るなんて、何かのっぴきならない事情があったはずだと薄々気付いていたはず。「俺もう青羽いらないからあげる」という想の物言いに腹を立てたところもあってか、一方的に連絡を遮断しておきながらも全く変わらない(振りを装っていたわけだが)想との距離を感じてか、何があったか知ろうとしなかった当時の自分のことが恨めしいのかもしれない。元顧問の古賀(山崎樹範)が言う通り、本当に願えば8年越しにでも案外簡単に真実を知れたのに。想が一人孤独と闘っている中、いつか想がふらりとまた紬の前に姿を現したら……想との思い出の影響を確実に受けている今の紬の職場に偶然やって来たら……とそんなことを呑気に心配できていた自分のことも。想の身に降りかかったことを知ってしまった今、むしろそうなっていたらどれほどよかったか、そんなふうに考えたのだろう。

■“怒”を発揮するしかない湊斗

 紬に手話教室のチラシを渡し、想と言葉を交わせるように橋渡しをしたのも湊斗だった。想が失聴したことをなぜ教えてくれなかったのかと怒る紬に「良かった。思ったより落ち着いてて。このこと知っちゃうと紬、不安定になるかなと思って」と優しく諭す湊斗。“人のために優しさ全力で使っちゃって、自分の分残すの忘れちゃう”湊斗にとっては紬にもっと取り乱された方が、気が紛れて楽だったのかもしれない。その方が紬の動揺に向き合いなだめる中で、自分自身の動揺ややるせなさを飲み込み流し込めるから。紬に責められ、当時の想の力にもなれなかった自分を思いっきり悔めるから。今なお想と“普通に話す”ことを望み、手話をできれば覚えたくないというのは、相手のペースに合わせてきた湊斗にとってはかなり珍しい。どちらかと言えば融通が利かず、普段は自分のペースに人を巻き込む側にいる紬と立場が逆転している。何かにこの感情をぶつけ、発散させたくて“怒”を発揮するしかない、いつも通りではない湊斗の姿が痛々しく苦しい。

 そして私たちは、「すんなり受け入れて手話まで覚えて、普通に顔見て話してすごいよね。紬、想の方が良いんじゃないかって、取られるんじゃないかって、そう思ってそんなことに怒って、想のこと悪く思えば楽だったから。友達の病気受け入れるよりずっと楽だったから。名前呼んで振り返ってほしかっただけなのに」という湊斗のリアルで悲痛な叫びに打ちのめされた。

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