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「じゃあ明日ね」から連絡が途絶えた親友のために…「私が動かなければならない」

幻冬舎ゴールドライフオンライン

姿を消した熊岡愛瞳の親友、三輪葵を探し出すために、同じように友人が行方不明になったと話す上村と接触し、ともに事件の手掛かりを探ることに。そこで彼らは「カシマレイコ」の都市伝説を耳にする。この噂に何かを感じたはぐれ者の刑事・伏見は、犯人を見つけ出すべく都市伝説の謎を追う。※本記事は、白崎秀仁氏の小説『カシマレイコの噂』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

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「……そうですか、分かりました」

熊岡愛瞳(くまおか まなみ)は、力なく呟くと、スマホを耳から話した。

電話の向こうの人物が言った言葉は、予想外ではない。しかし、それは気持ちをより重くした。

「葵、どこに行ったの……」

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会社のリラックスルームで、窓の外を見ながら呟く。

昼過ぎから降り始めた雨は、徐々に勢いを増し、ビルの8階から見える景色を滲ませている。

「……」

2日前の夜、仕事を終えた愛瞳が、タクシーの後部座席でウトウトしていると、手に持っていたスマホが震えた。親友の三輪葵(みわ あおい)からで、チャット画面には『転職先が決まった』とあった。

高校を卒業してすぐに働き始めた愛瞳は、これまでに2社を経験して、アパレルショップを運営する現在の会社に転職。2年目にして、エリアマネージャーを任され、担当する5店舗の売上や職場環境向上のために、忙しくも充実した日々を送っていた。

だが葵は、大学を卒業して入社した会社が、ブラック企業だった。バイトはしたことがあっても、社員として仕事をするのが初めてだった葵は、入ってすぐに、テンションが上がるだけで中身がない、詐欺まがいの自己啓発セミナーのような研修を受け、会社の方針を叩き込まれた。

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