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友人との恋愛相談「チャンスがあれば結婚したいけど…」尻込みしてしまうワケ

幻冬舎ゴールドライフオンライン

「綺麗な人だったな、まあ、俺には関係のないことだけど」。恋人のいないスミレは、学生時代の友人・リサと一緒に、海上保安部の最寄り駅で開かれた婚活パーティーに出かけた。そこで海上保安官であるショウタとカイリと出会う。リサとカイリはすぐにカップルとなる一方、スミレとショウタはお互いに惹かれあっているにも関わらず、なかなか進展しない。スミレは麻薬取締官という立場を隠さざるを得ず、またショウタも過去の経験から恋人を作らない主義を貫いているからだ。 そんな中、「海上保安官の一部で『ブツ』が出回っている」という噂を耳にする。要マーク人物はショウタに近い人物かもしれない。ショウタに惹かれながらも、任務を遂行するスミレは――。※本記事は、はしばみじゅん氏の小説『私たちに、朝はない。』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

しばらくして我に返った私は帰りの電車に乗り込み、お礼の気持ちを伝えようと携帯電話をポケットから取り出す。するとショウタからメッセージが来ていた。

「また会いたいなんて言ったらいけなかった。スミレちゃん、俺との将来を期待したらだめだよ」

え? どういうこと? せっかく二人でご飯に行って前よりも仲よくなれたと思ったのに、もう次はないってこと? 先ほどまでの様子とは打って変わって冷たい態度に混乱する。

文面から、私が何か気に障ることをしたわけではなさそうだが、やっぱり彼には何か抱えていることがあるのかもしれない。恋愛について話を振られたときのショウタの強張った表情や、四人でのお食事会の最後に朝木さんから言われた言葉がよみがえった。

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私はこの前の食事を反芻しながら、要所要所をかいつまんでリサに説明する。食事の後のメッセージのことは、ひとまず私の心の中にしまっておくことにした。

──ショウタが恋人を欲していないことはこの間の四人の食事で承知していたが、今回の彼の食べ飲みっぷりに感心した私は、少し要点をずらして懲りもせずに探りを入れた。

「そういえば、この前の婚活パーティーには参加されなかったのですね、美味しい食べ物も飲み物もたくさんあったのに」

ところが、彼の返しは思わぬピンチとなって返ってくる。

「百人規模のあの会場に俺がいなかったって知ってるなんて、どんな記憶力なの。参加者全員の顔を覚えないといけないような仕事でもしてるの?」

冗談っぽく苦笑されたが、遠からずとも近からずな発言に心臓がどきりとする。確かに病院や薬局に従事する薬剤師にとっては必要のないスキルだろう。これからはもっと言葉選びに気を付けなければ。

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