Q:ご自身が担当されたパートで最も大変だったことは?
触手がたくさんあるモンスターです。一体につき触手が10本あるのですが、それを5体同時に担当しなければならず、トータルで50本の触手が動いている状態です。本当に厳しかったのですが、他の人たちがやりたがらない場所を任せていただいたので、最後の方は光栄でしたね。「自分がやってやるぞ!」という気持ちでした。
Q:本作の監督であるドン・ホールとはお話されましたか?
ディズニーの良さとして驚いたことなのですが、監督とも直接お話ができるんです。自分の担当したショットを見せて「こんな感じでやろうと思う」とか、「ここをこうした方が面白くなるのでは?」という提案もアニメーター側からできるんです。ディズニーの長い歴史があるからこそ、アニメーターに対するリスペクトがあり、監督から「いいね、じゃぁそうしよう!」ということも起こり得る。非常に柔軟なことだと思います。
■学びを続けていけることが本当に嬉しい

Q:スタジオの雰囲気はいかがですか?
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非常にアットホームな感じです。歴史ある会社なので、すごく堅いイメージがあったのですが、 (取材日当日も)感謝祭でランチを提供してくれて、みんなで食事をしました。監督も廊下を歩いているので、挨拶を交わしたりするなど、ヒエラルキーを全く感じません。ゲストを招いてスタジオを歩けたりするので、社員を信用している感じもあります。
Q:日本には「将来海外で働きたい」「海外でアニメーターの仕事に就きたい」という方がたくさんいらっしゃいます。海外でアニメーターとして働くヨーヘイさんから、アドバイスを送るとしたら?
英語学習ですね。重要性は前から言われていますが、リモート化が進み、インターネット越しに仕事ができる機会が増えてきたので、別の言語が話せることが、今後もすごく大きな差につながってくると思ってます。実際スタジオで働いていても、周りの人たちと円滑なコミュニケーションを取る上で、流暢に話せることはものすごくアドバンテージになります。私は日本での英語学習が上手くできなかったので、プライドを捨てて「赤ちゃんに戻る作戦」で渡米し、ブロークン・イングリッシュで学んでいきました(笑)。たまたま、それが学習法として自分にフィットしましたね。
Q:アニメーターとしての今後の目標は?
目に映るもの・動くもの全てがアニメーションなので、やったことがあることだけで終わることは100%あり得ないんです。 何か新しいことが目の前にあるので、続けている以上は新しい気づきが常にあります。そういった意味では終わりがないので、学びを続けていけることが本当に嬉しい。アニメーターと並行して、日本に向けた教育もやっているので、それも続けていきながら、最終的にはディレクションも勉強できればと思っています。