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グルメエンターテイナー・フォーリンデブはっしーさんに聞く!本当に“流行る”店とは?

おなじみ

自身もキャリアで挫折しそうになった時、おいしいグルメに救われたというはっしーさん。グルメの情報を発信し続けていくことで、「グルメに恩返しができれば」と語る

独立した2020年から現在までを振り返り、はっしーさんから見てグルメの世界はどのような変化があったのか。主にSNSの観点、そして食材に関する観点で教えてくれました。

「SNSから見た流行の変遷では、2017年に『インスタ映え』が流行語大賞を受賞したことが、一つの節目になったと思います。一般の人たちも見た目が楽しいグルメを追いかけるようになり、Instagramを通じた集客が行われるようになりました。その一方で、人によって『インスタ映え』の捉え方に差異が出てきたのです」

少しでも派手な見た目であれば「映えグルメ」と言われる一方、見た目に関係なく「映え」を使い始めるなど、言葉の定義や使われ方に混乱が生じてきました。その中で台頭してきたのが、韓国スイーツをはじめとした見た目がカラフルないわゆる「バエバエ系」です。

「見た目はカラフルだけど、食べてみたら味がいまいちというものも。映えていても、おいしくないグルメが増えていき、そのようなグルメに人々が裏切られるといった流れも出てきていました。結果、次はグルメの本質が分かりやすいもの、つまりイメージしやすいおいしさが人気を集めるようになりました。その代表格の一つが、今回訪れた『挽肉と米 』です」

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「挽肉と米」吉祥寺店

こちらは、目の前で炭火焼きしてくれるハンバーグを、炊きたてのご飯と合わせるメニューのみという、イメージしやすく分かりやすいおいしさを打ち出しています。これまでの飲食店には、いかに手数を減らし、たくさん提供できるかといった効率を第一に求めてきた店もたくさんありました。しかし「挽肉と米」は、その正反対。挽きたての挽肉、焼きたてのハンバーグ、炊きたてのご飯にこだわり、効率ではなく出来たてのおいしさにこだわっています。

ハンバーグは一つ一つ丁寧に焼かれて提供される

「コンセプトが明確で分かりやすく、商品にストーリーもあるため、情報自体に意味がある『映えグルメ』なんです。特に、常に最新の情報を追いかけているZ世代は、これまでのように流行に裏切られたくないという思いがあり、情報にも意味を求めます。また、グルメにかかわらずトレンドには常に揺り戻しがあります。今まさに、見た目の『映え』から情報の『映え』へと、揺り戻しが起きているのだと思います。ただもちろん、見た目はどうでもいいという話ではなく、写真や動画にも分かりやすいおいしさは求められます」

食材から見るトレンドは?コロナ禍で変わった飲食店に「求められるもの」

次に、流行した食材について、自身がこよなく愛し、得意分野とする「肉」を例に教えてもらいました。

「肉のトレンドを見ると、昔の焼き肉屋さんのメニューは今よりも少なく、いまほど詳細な部位別のメニューではなかったんです。そこから『希少部位』のブームが起こり、そして健康を意識した『赤身肉』が注目され、さらに赤身は熟成させたほうがおいしいとの理由から赤身の『熟成肉』が流行します。その後、肉フェス4連覇した焼肉店『格之進』に代表されるような赤身熟成肉をブロックごと焼いた『塊肉』が流行。コロナ禍の前には塊肉から派生したローストビーフ丼もはやりましたね。しかし、コロナ禍になると、トレンドどころではなくなり、肉自体の進化はいったん止まりました。そこで求められるようになったのは、お店としての在り方です」

一つの食が流行すると、それをまねする店が続々と登場するものです。はっしーさんは流行の火種を作るようなお店を「パイオニア系」、そしてそれらをまねして広げる店を「インスパイア系」と呼びます。

「前述の『挽肉と米』はパイオニアです。そこからまねたインスパイア系が数多く登場したことで、ハンバーグ専門店の流行が起こりました。インスパイア系は、流行に乗ることで手早く利益を上げることを目的としています。それによってブームが広がるのも事実ですが、同様のインスパイア系店の情報がSNSに乱立することで、早々に目新しさがなくなってしまいます」

そんな流行合戦が繰り広げられた結果、飲食店により求められるようになったのは「本質的なおいしさ」だとはっしーさんは言います。

「お客さんにその店ならではの価値をどのように提供できるかが、改めて重要になりました。流行を意識しながらも、意識しすぎないことが大切。初速よりも積み上げを大切にして、オリジナリティーのある良いものを提供することが求められています」

飲食店ができるSNS対策は、アウトプットよりもインプットがマスト

流行を意識しながらも意識しすぎない。具体的にお店側は、どのような対策をすれば良いのでしょうか。

「日々アンテナを張って情報収集を行うことは必須ですね。SNSに限らず、食べ歩きでも良いと思います。また、グルメインフルエンサーの投稿を参考にする際は、SNSでのフォロワー数よりも、愛情を持って料理を捉えているかという点を重視した方が良いでしょう。そういった情報をインプットしていると、おのずと流行や、お店に取り入れられるポイントも見えてくると思います」

気に入ったグルメインフルエンサーに「ぜひ食べに来てください」とDMをしたり、コラボを持ちかけたりするのも一つの方法。はっしーさんも普段、PR投稿だけの仕事は受けませんが、自身がコラボした案件については「自分がメニュー開発に関わっているからこそ、自信をもっておすすめできる」と言います。

また、SNSのインプットは必須ですが、アウトプットは「やった方がベター」。お客さんの囲い込みを狙うのなら、LINEを使うのも手だそうです。

「SNSでお客さんの囲い込みをしたいなら、LINEをメーリングリストのように使うのも一つ。なぜなら、お店側から直接メッセージが届けられるし、受け手も見てくれやすいです。私自信もラブレターならぬ『デブレター』という名前で、LINE公式アカウントに登録してくれたユーザーさんに、メッセージを届けています」

今後の飲食店に求められる姿勢は「流行に左右されすぎない」こと

「繰り返しになりますが、流行に左右されすぎないことが大切です。流行には揺り戻しがあり、以前はやったものに、新しい要素が加わって戻ってきます。だからこそ、流行に左右されすぎず、自分たちのお店や料理の本質を追い求める。そこに少しだけ、流行の要素を加えるくらいがちょうどいいのではないでしょうか」

例えば、「挽肉と米」のハンバーグの写真を見ると、決して「映え」に特化しているわけではなく、多くの人がイメージしやすい「分かりやすいおいしさ」が前提にあります。その上で、目の前で炭火焼きして作っているさまをショート動画で撮ってSNSにアップしたくなるという「流行」の要素も押さえています。見た目の「映え」で注目を集めることだけに力を入れるのではなく、そういった本質が問われるようになったと、はっしーさんは分析します。

「SNSやメディアで『流行』が簡単に消費されてしまう今の時代だからこそ、そこに囚われすぎないようにしたいですね。飲食店もインフルエンサーもホンモノだけが残っていくと思いますので、自分も負けじと全力投球、いや、『全肉投球』で頑張りたいと思います」

取材先紹介

挽肉と米 吉祥寺
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-8-3
電話:0422-27-2959
取材・文ミノシマタカコ

Web編集/ライター。テック(ライトめ)、旅行、ビジネスなど、女性向けWeb媒体を中心に様々な分野の執筆やWeb編集を行う。狛犬愛好家としても活動。2020年12月『狛犬さんぽ』(監修:川野明正/グラフィック社刊)。

https://minokiti.themedia.jp/
写真新谷敏司 企画編集株式会社 都恋堂
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