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「必要なのは反逆」 絵画狙う過激行動にも意義 環境活動家

時事通信ニュース




【パリAFP=時事】環境活動家が有名絵画を標的にして気候変動に警鐘を鳴らす抗議行動を相次いで起こしている。こうした活動家に影響を与えているのが、気候変動危機を訴える団体「絶滅への反逆」だ。≪写真は、オーストラリアの環境状況に関する政府報告書の発表を受け、メルボルンのビクトリア州議会前で抗議する「絶滅への反逆」のメンバー≫
同団体の共同設立者で科学者でもあるゲイル・ブラッドブルック氏は、世界の気候や生物多様性を崩壊させかねない「ポリクライシス(複合危機)」について注意喚起するために、過激なアクションは必要だと主張する。
国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)開催に合わせ、ブラッドブルック氏にインタビューした。
■過激なアクションは気付きを促す
Q:最近、気候変動対策を訴える人々がビンセント・ファン・ゴッホやクロード・モネなどの絵画にスープを浴びせ、マッシュポテトを投げ付けるなどのアクションを起こしている。ショッキングな戦術は有効なのだろうか。
A:重要な話を伝えようとしないメディアに慣れ切った環境で注目を集めるのは難しい。だからこそ人々は、思い切って危険でとっぴな行動に出ている。これは主流派の意識に訴え掛けるアジテーションだ。英ブリストル大学のコリン・デービス氏の研究によると、こうした活動家は相手にされないかもしれないが、問題への関心は高まる。つまり、気付きを促すためには有効だ。
次に、世の中の人々に対し、変革は可能であると奮い立たせ、そして最終的に変革を実現するため共に行動する。私たちは経済の仕組みを変え、民主主義を向上させる必要がある。
こうした問題のしわ寄せを受ける先住民が自分たちの土地を守ろうとして最前線で命を落とすのを傍観してはならない。活動家任せでもだめだ。私たち一人一人が問題に取り組む必要がある。
私たちの社会の制度全体が搾取の上に成り立っている。特に、南半球の途上国に住む人々に対する搾取ありきの制度だ。これは終わらせなければならない。
■反逆すべき相手は行動を起こさないエリート層
Q:なぜ「絶滅への反逆」を立ち上げたのか。
A:変化を起こしてみせるという決意からだ。「人生でこの問題に取り組まずに、他にやりたいことなどあるだろうか」という思いが強かった。
団体名を「絶滅への反逆」にした理由は、私たちは今(地球上で)6回目の大量絶滅期にいるからだ。私たちが直面している複合危機は、気候変動、生態系、健康、不平等の危機など多岐にわたり、多くの根本原因がある。私たちが反逆しなければならないのは、十分な行動を取らず、場合によっては私たちを間違った方向に導くエリート層だ。
気候変動による異常気象はすでに起きている。バングラデシュやパキスタンがその例だ。それに対して世界は「大変だね」と人ごとだ。ひど過ぎる。
「絶滅の反乱」が最初に行ったことの一つは、メッセージ発信の仕方を緊急モードに移行することだった。世の中に、つらく残酷な真実を伝える。そして、なぜそんな状況が起きているのか、どんな対策があるのか、一人一人に何ができるのか、あるいはグループの一員として何ができるのかを伝えていけば、(問題を引き起こしているのは)他の誰でもない自分だという感覚が生まれる。
■問題を先送りさせない
Q:では何が人々の行動を止めているのだろうか。
A:問題があることを伝える指導者がおらず、受け取るメッセージが矛盾していると、人は行動しない。
私たちに行動させまいとする力も積極的に働いている。知っての通り、気候変動の否定論には多額の資金が費やされている。
気候変動を否定する動きは完全になくなったわけではないが、次に私たちを阻止するものは何かというと、それは問題を先送りさせようとする動きだ。例えば、私たちが直面している問題はテクノロジーで解決できるとか、すべては消費者の選択次第だとか。中国はどうなんだといった問題のすり替えもそうだ。
これらはすべて、「こんなことを考えるのはストレスになるから放っておこう」と人々に思わせるための心理的なツールだ。【翻訳編集AFPBBNews】

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