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<魔法にかけられて2>天真爛漫なヒロインが意地悪な継母に 変容ぶりも楽しい“15年後の世界”

WEBザテレビジョン

<魔法にかけられて2>天真爛漫なヒロインが意地悪な継母に 変容ぶりも楽しい“15年後の世界”

あの、天真らんまんなジゼルと、誠実なロバートにまた会うことができるのだろうか。まだ幼かった少女モーガンはどんなふうに成長しているのだろうか。エドワード王子はやっぱり肝心なところでドジをしてしまう愛すべきキャラクターなのだろうか。物語のスパイス役といえるシマリスのピップは元気なのだろうか。数々の「だろうか」に期待を乗せて、「魔法にかけられて2」が11月18日に配信された。独自のレビューで作品の見どころを紹介する。(以下、ネタバレを含みます)

■前作から15年後の世界が舞台

「魔法にかけられて2」は、2Dアニメーションの世界と現実世界を舞台に繰り広げられる、ミュージカルコメディーの名作「魔法にかけられて」の15年後を描いた作品。前作、本作ともにディズニープラスで配信中だ。前作では、アニメーションで描かれたおとぎ話の世界「アンダレーシア」に住む、王子様との真実の愛のキスを夢見る主人公のジゼル(エイミー・アダムス)が、実写で描かれた現代のニューヨークに迷い込み、娘のモーガンと暮らす離婚弁護士のロバート(パトリック・デンプシー)と出会い、おとぎ話の世界とは全く違うニューヨークや人々に戸惑いながらも、真実の愛を見つけるべく奔走。

「おとぎ話の世界のプリンセスが現実世界にやってきたらどうなる?」という、誰もが一度は想像したことのある夢と魔法にあふれた物語とともに、「ディズニー作品とは…」という、これまで当たり前だと思われた概念を変えた作品として劇場公開時は日本でも大ヒットとなった。

前作「魔法にかけられて」の原題(英語タイトル)が「Enchanted」だったのに対し、今回のそれは「Disenchanted」。冒頭についているDisという語句は通常、否定を表す。“ディスる”の語源“Disrespect”もこれに由来する。つまり「魔法から覚めた」「現実に目覚めた」という感じなのだろうか…と画面に食い入ったのだが、なるほど、これは言い得て妙。視聴者にはしっかり、第1弾に引き続いてロマンティックな物語と歌とダンスで魔法をかけながらも、夢見るジゼルは変わらずすぐに歌い出すものの格段に地に足の着いたたくましい女性になっていて、モーガンも年齢相応の悩みや葛藤を抱えながらも毎日を青春の香り一杯に過ごしている。前作から15年後が舞台ということもあるのか、ロバートはすっかり渋み倍増のダンディーな姿で現れる。

■“モンロービル”にお引っ越し

今回、物語のメインとなるのはジゼル、そして夫のロバートと前妻との間に生まれたモーガン(ガブリエラ・バルダッチノ)。前作ではジゼルが“おとぎの国”アンダレーシアから現代のニューヨーク・マンハッタンへ舞い降りてきて、この大都会で戸惑いつつも力強く忙しく過ごす姿がたっぷり描かれていた。だが秒刻みの毎日は決して人間的なものとはいえない。モーガンも大きくなってきたし、ということで、ジゼルとロバートはマンハッタン116丁目からニューヨーク郊外にあるという街“モンロービル”の一軒家に移り住む。ロバートが新幹線のようなものに乗って通勤している(42丁目のグランド・セントラル駅まで乗り換えなしで行けるらしい)ところから察するに、マンハッタンとモンロービルは東京から静岡ないし名古屋ぐらいの距離なのかもしれないと勝手に想像した。

地方都市は「その町のしきたり」みたいなものがありがちだし、その土地の有力者を頂点とする縦社会だったりすることもある。モンロービルのヌシは、ずばりマルヴィナ・モンロー(マヤ・ルドルフ)という女性。そもそも地名が“モンローの街”なのだから、ヌシっぷりも相当なものだ。そしてその周りではイエスマンたちが、マルヴィナに「寄らば大樹の陰」的に寄生している。

だがピュアなジゼルは、その辺の淀んだ大人の事情を理解するDNAをそもそも有していない。そこがトラブルの萌芽になるのだが、「人間社会の齟齬には魔法の力よ!」とばかりにジゼルは街をおとぎ話の国に変えてしまう。魔法ならぬ呪いにかけられたジゼルの“意地悪な継母”っぷり、そしてマルヴィナとの“覇権争い”も見応え十分だし、ジゼルがモーガンを部屋に閉じ込めるシーンや井戸へ突き落とす場面もゾクゾクする…と書いてきたところで物語のほんの一部なのだから、ここからも、いかに「魔法にかけられて2」が展開いっぱいの充実作であるかが分かるはずだ。

音楽担当は「美女と野獣」「アラジン」「リトル・マーメイド」などでも知られるミュージカル作曲王、アラン・メンケンが引き続き担当。フランク・チャーチルなど大先輩作曲家への敬愛をこめつつ、コンテンポラリーでメリハリに富んだ音作りで魅了する。「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー」で名前が浸透したイディナ・メンゼルが、相変わらず超絶の美声を披露しているのも話題を集めることだろう。

◆文=原田和典

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