ストーブリーグに突入したプロ野球。今オフはトレード市場が活発化しており、楽天・涌井秀章と中日・阿部寿樹の電撃トレードを筆頭に、主力級の移籍も相次いでいる。日本では後ろ向きな印象が強い交換トレードだが、新天地で才能を開花させた例も少なくない。ここでは、近年に移籍先でブレイクを果たした選手5人を紹介する。
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大田泰示
投打:右投右打
身長/体重:188cm/96kg
生年月日:1990年6月9日
ドラフト:2008年ドラフト1位
トレードを機にブレイクした選手といえば、大田泰示を連想する方も多いのではないだろうか。
東海大相模高校では、持ち前のパワーを武器に大活躍。激戦区の神奈川県ということもあり、甲子園出場こそ果たせなかったが、高校通算65本塁打を記録した。一時は大学進学が有力とされながら、最終的にプロ志望届を提出し、2球団競合の末に読売ジャイアンツへ入団した。
首脳陣からも大きな期待を受けた大田だったが、プロ4年目の2012年にようやくプロ初本塁打を記録するなど、プロの壁に苦しむ期間が長かった。ジャイアンツに在籍した8年間で規定打席に到達することもなく 、2016年オフに北海道日本ハムファイターズへトレード移籍となった。
すると、環境の変化が幸いしたのか、移籍初年度の2017年から自身初の規定打席クリア、2桁本塁打(15本)と飛躍を遂げた。2019年は打率.289、20本塁打を放つなど、広い札幌ドームでもスラッガーとして存在感を発揮。翌2020年には外野手部門のゴールデングラブ賞にも輝くなど攻守に渡って躍動した。2022年からは横浜DeNAベイスターズに活躍の場を移し、貴重な戦力となっている。
公文克彦
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投打:左投左打
身長/体重:173cm/83kg
生年月日:1992年3月4日
ドラフト:2012年ドラフト4位
大田泰示とともに北海道日本ハムファイターズへトレード移籍し、同じく才能を開花させたのが公文克彦である。
高知高校から社会人野球の大阪ガスへ進んだ公文は、3年後の2012年ドラフト会議で読売ジャイアンツから4位指名を受けた。プロ1年目から2軍で好成績を残し、シーズン終盤には1軍デビューを飾った。
しかし、翌2014年から2年連続1軍登板なしに終わると、サイドスローに転向した2016年は12試合に登板したものの、同年オフにファイターズへのトレード移籍が発表された。すると、新天地ではブルペン陣の一角としてフル回転。加入初年度の2017年から3年連続40試合登板を果たし、貴重な中継ぎ左腕としてチームに欠かせない存在となった。
2021年シーズン途中には埼玉西武ライオンズへトレード移籍。公文にとっては2度目のトレードとなったが、西武でも存在感を発揮。2022年は左肩のコンディション不良で出遅れたが、昇格後は主に左のワンポイントとして18試合登板で自責点0と抜群の安定感を見せた。
桑原謙太朗
投打:右投右打
身長/体重:184cm/86kg
生年月日:1985年10月29日
ドラフト:2007年大学生・社会人ドラフト3巡目
2度のトレード移籍を経験し、在籍3球団目で大ブレイクを果たした桑原謙太朗。その活躍は目覚ましいものがあった。
奈良産業大学から2008年に横浜ベイスターズに入団し、プロ1年目から先発、リリーフ問わず30試合に登板。しかし、翌年はけがの影響で登板機会を減らすと、2010年は18試合で防御率6.12と低迷し、オフにオリックス・バファローズにトレード移籍となった。
パ・リーグで心機一転を図った桑原だが、バファローズに在籍した4年間の合計登板数は22。1軍では思うような結果を残すことはできず、2014年オフに阪神タイガースへ活躍の場を移した。
タイガースでも苦しいシーズンが続いた中、2017年に大きく飛躍。67試合登板で43ホールドポイント(4勝39ホールド)、防御率1.51という驚異的な数字を残した。同年は最優秀中継ぎのタイトルに輝き、翌年も62試合に登板。しかし、勤続疲労が影響したのか2019年からは大幅に登板数を減らした。2021年に2軍戦でキャリアを終えたものの、引退会見では「自分の中ではやりきった」と語っていた。