テリー 当然2人は驚いたろうけど、世間の反応はどうだったの。
寺門 その直後は飲食店とかに行ったら、言葉かけてくれなかったです。で、こっちがしゃべると、「ああ、大丈夫なんですね」ってなるような。2、3カ月経ったら、そういう雰囲気もなくなりましたけど。
肥後 僕がいちばんびっくりしたのは、上島さんの告別式かな、斎場に行ったんです。そしたら上島さんに女性の方が死に化粧をしてたんですよ。で、「あ、化粧してるんだ」と思って行ったら、その人が僕を見て笑ったんですよね。「あ、2人揃った」って笑えるんです。だから、死んでも笑えるぐらいの存在になってたんだなと思って。悲しいのは悲しいんですけど、なんか笑えるみたいな。
寺門 9月に「純烈(おふろ)ダチョウ」で「氣志團万博」という音楽フェスに出させてもらった時に「マキシマムザホルモン」さんっていうバンドが曲の中で僕らのギャグをやったんですね。竜ちゃんのジャンプするヤツとかやってくれるんだけど、すごい通じてるんです、会場全体に。それはびっくりしましたね。
肥後 だから、そういう意味では世の中的には、そんなに沈むっていう空気ではなかったです。まあまあ、びっくりするにはびっくりしましたけど。
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テリー そうか。でもさ、俺は竜ちゃんって、ポスト寅さんだと思ってたの。
肥後 そうですね。渥美清さんじゃなくて、寅さんまんまの人間ですよね、上島さんは。
テリー 俺はすごくうらやましいと思ってたわけ。あのポジションって他にいないじゃない。
寺門 唯一、笑いを取らなくてもいい芸人だったから。
肥後 どっちに転んでもいいような。
テリー 言葉に詰まっていいんだもんね。
寺門 詰まって言葉が出なくても笑いがくるんだから。そういうポジションを作り上げた。
肥後 詰まっても笑えるし、しゃべって落としても笑える。何やってもOKだったんですよね。それなのに、最後の最後にしくじっちゃった。
寺門 大きなしくじりだね。
肥後 まあ、それが上島さんの芸風っちゃあ芸風なんですけどね。