「森保一監督(54)は、今年9月の試合からシステムを少し変更しました。それまで4-3-3という中盤とFWに3人ずつ配置する形だったのを、4-2-3-1というフォーメーションに変えた。ワールドカップ本戦を想定してのことです」
ドイツ戦、スペイン戦では、相手にボールを持たれ守りに時間を割くことも考えられる。そうなると、全体として自陣に引き気味で戦うことを余儀なくされるが、4-3-3システムだと両サイドのFWまでが引いてしまう。これでは1人のFWが孤立してしまい、ボールを奪った時の攻撃が苦しくなる。FWのすぐ後ろに「トップ下」と呼ばれる選手を置く4-2-3-1だと、その不安が解消されると言う。
「トップ下での起用が予想される鎌田大地(26)は現在すごく調子がいい。彼がうまく機能してくれれば、守備がしっかりした上で攻撃の手数も増えるはずです」
後藤氏は初戦のドイツ戦が非常に重要と断言する。
「よく初戦が大事と言われますが、必ずしもそうではありません。2010年大会優勝のスペインは初戦を落としているし、2014年大会で日本と同組だったギリシャは、2戦終了時点で1敗1分からグループリーグを突破した。そういう例は他にも少なくない。ただし、今回の日本にとっては、初戦に全てを賭けるべき。スペイン戦よりもドイツ戦のほうが勝つ確率はあります」
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今年9月の欧州ネーションズリーグで、ドイツはホームでハンガリーに負け、アウェーでイングランドと引き分けた。
「2戦とも試合の出来は悪かった。それから2カ月間、代表チームの活動はしていない。急に改善するのは難しいと思われます」
初戦の重要性については、安藤氏も同意して、
「日本などはグループリーグ突破に照準を合わせますが、ドイツのような強国は、最終目標である決勝戦から逆算して尻上がりに調子を上げていく考えです。そういうチームを叩くには、初戦が最大のチャンスとなります」
今大会は開催地が中東であることに加え、冬に行われるのも史上初の歴史的な大会と言われている。果たして日本サッカーにとって「歴史的な」結果となる8強進出が実現するのか。運命のキックオフは日本時間23日午後10時に迫っている。