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楽天が阿部寿樹を獲得 内野の競争激化で鈴木大地、茂木栄五郎が「レギュラー白紙」も

週刊ベースボールONLINE

ポイントゲッターとして期待



中日から楽天へ電撃トレードとなった阿部

 楽天に欠けていたピースが加わった。中日から涌井秀章との交換トレードで移籍した阿部寿樹だ。

 今季の楽天は球団新記録の11連勝を飾るなど春先に破竹の快進撃を繰り広げた。一時は貯金18まで増やして首位を独走したが、6月以降は攻守がかみ合わずに失速。シーズン終盤も反発力が見られず、クライマックスシリーズ進出の3位を逃した。69勝71敗3分。貯金18あったチームが借金生活で終えるのはNPB史上初だった。

 チーム得点はリーグ2位の533得点。だが、塁上をにぎわせる割には拙攻で得点が入らない場面が目立った。規定打席に到達した6選手のうち、右打者が浅村栄斗のみと打線全体のバランスも良くない。左腕の攻略に苦しむことが多く、日本ハム・加藤貴之に4勝1敗、防御率1.38、ソフトバンク・和田毅に4勝1敗、防御率2.42と抑え込まれた。

 広角に長打を打てるパンチ力に加え、左腕を苦にしない阿部はポイントゲッターとして期待できる。2019年に打率.291、7本塁打で自身初の規定打席に到達すると、20年に打率.257、自己最多の13本塁打をマーク。昨年は打率.209、5本塁打に16打点と打撃不振に苦しみ、秋季キャンプでは出場機会を増やすために外野に挑戦した。

役割を淡々と遂行する姿


 今年は3月25日の開幕・巨人戦(東京ドーム)で先発メンバーから外れると予想されたが、二塁にコンバートされた高橋周平が故障で戦線離脱したため、「六番・二塁」でスタメン出場。「とにかく自分のできることをやろうと、それだけです。そのための準備をずっとしてきて、出番がやって来た、それくらいの気持ちです。あとはもう結果を残そうと。そうしないと使ってもらえないぞと言い聞かせていました。でもそれはもう自分に限らず、プロ野球選手の誰もがそうだと思いますから」と語っている。

 職人気質で派手さはないが、求められた役割を淡々と遂行する姿が頼もしい。クリーンアップで奮闘するなどレギュラーを奪い返し、打率.270、9本塁打をマーク。31二塁打はチームトップの数字だった。

チーム全体の底上げに



阿部の加入により鈴木大らを含めて競争は激化していく

 本職は二塁だが、楽天はチームの顔である浅村が守っている。内外野を守れる阿部だが、三塁が主戦場になる可能性が高い。競争相手となるのが同じポジションの茂木栄五郎、鈴木大地だ。今季は茂木が三塁でチーム最多の57試合出場、鈴木は53試合出場している。2人にとっては不完全燃焼のシーズンだっただろう。茂木は73試合出場で打率.223、9本塁打、30打点。打率はプロ7年目で自己ワーストだった。三塁、一塁を守る鈴木大は125試合出場で打率.257、5本塁打、35打点。こちらもプロ11年目でリーグワーストの打率だった。

「楽天は左の中距離打者が多く、相手バッテリーから見ればやりにくさがない。状況判断に優れた打撃ができる右打者の阿部が入ることで神経を使うことになる。茂木、鈴木大のレギュラーは白紙になるでしょう。実績のある選手たちの目の色が変わり、競争が激化することでチーム全体の底上げにつながる。効果的な補強になると思います」(スポーツ紙デスク)

 阿部は岩手県一関市で生まれ育ち、高校は一関一高に進学している。故郷がある東北に本拠地を置く楽天でプレーすることは発奮材料になるだろう。エンジのユニフォームを身にまとった「マスター」の渋い活躍が楽しみだ。

写真=BBM
 
   

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