オフシーズンを迎えているプロ野球。今オフは千賀滉大投手、吉田正尚外野手がすでにMLB挑戦を正式表明しており、新たな日本人メジャーリーガーの誕生が確実視されている。しかし、NPBでは圧倒的な成績を残したものの、メジャーリーグでは苦戦を強いられた選手も多くいる。ここでは、メジャーの壁に苦しんだ選手5人を紹介する。
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山口俊
・出身地:大分県
・投打:右投右打
・身長/体重:187㎝/98㎏
・生年月日:1987年7月11日
・経歴:柳ヶ浦高
・ドラフト:2005年高校生ドラフト1巡目
MLBでは力及ばず、悔しい結果に終わった山口俊。
山口は、2005年高校生ドラフト1巡目で横浜ベイスターズに入団した。高卒4年目の2009年にリリーフとして台頭。シーズン途中からはクローザーを任され、翌2010年から2年連続30セーブに到達した。2014年からは先発へ転向。2016年に自身初の2桁11勝を挙げた。
同年オフに国内FA権を行使し、読売ジャイアンツへ移籍した。2019年には15勝4敗、勝率.789、188奪三振、防御率2.91をマーク。最多勝、最高勝率、最多奪三振の投手三冠に輝き、オフに球団初のポスティングシステムを行使してトロント・ブルージェイズへメジャー移籍した。
デビュー年は中継ぎとして開幕ロースター入りを果たしたが、デビュー戦から2試合連続で敗戦投手に。同年は17試合登板で2勝4敗、防御率8.06と不本意な成績に終わった。翌2021年は巻き返しを図ったが、スプリングトレーニング直前にDFAとなり、サンフランシスコ・ジャイアンツと契約。しかし、傘下3A級でも結果を残すことができず、メジャー昇格は叶わず。シーズン途中に古巣・巨人でNPB復帰する運びとなった。
有原航平
・出身地:広島県
・投打:右投右打
・身長/体重:189㎝/95㎏
・生年月日:1992年8月11日
・経歴:広陵高-早稲田大
・ドラフト:2014年ドラフト1位
有原航平は、メジャー2年間でわずか3勝にとどまっている。
2014年ドラフト会議で4球団競合の末、北海道日本ハムファイターズへ入団。プロ1年目から先発ローテーションの一角として存在感を示し、8勝を挙げて新人王に輝いた。
その後はチームのエース格として実績を残し、2019年には15勝、防御率2.46の好成績で最多勝を獲得した。2020年オフにポスティングシステムを行使し、MLBに挑戦。テキサス・レンジャーズと2年契約を締結した。
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しかし、メジャー1年目は故障の影響もあり、10先発で2勝4敗、防御率6.64に沈んだ。今季は傘下マイナーリーグで開幕を迎え、8月にメジャー昇格を果たしたが、1勝3敗、防御率9.45と振るわず。今オフにFAとなり、来季の所属球団が決まっていない状況だ。MLBでの契約を模索しており、動向が注目されている。
筒香嘉智
・出身地:和歌山県
・投打:右投左打
・身長/体重:185㎝/97㎏
・生年月日:1991年11月26日
・経歴:横浜高
・ドラフト:2009年ドラフト1位
日本代表の4番も務めた筒香嘉智も、MLBでは苦しんでいる。
2009年ドラフト会議で横浜ベイスターズから1位指名を受けプロ入り。高卒5年目の2014年に打率.300、22本塁打をマークし、飛躍を遂げた。さらに、2016年には打率.322、44本塁打、110打点と圧巻の数字を並べ、本塁打王と打点王の二冠を獲得。国際大会でも4番を務めるなど日本球界を代表する主砲として活躍を続けた。
2019年オフにポスティングシステムを行使し、タンパベイ・レイズに移籍した。メジャー1年目は「3番・三塁」で開幕スタメンを勝ち取り、本塁打を放つ鮮烈なデビュー。しかし短縮シーズンとなった同年は、60試合中51試合に出場したが、打率.197、8本塁打に終わった。翌2021年も開幕から結果を残せず、移籍を繰り返して計3球団に在籍。ピッツバーグ・パイレーツ移籍後は、43試合出場で打率.268、8本塁打、25打点とスラッガーの片鱗を示した。
きっかけを掴んだと思われたが、今季は打率1割台に沈み、シーズン途中で自由契約。その後、トロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだが、シーズン終了後にFAとなった。来季もMLBでのプレーを望んでおり、去就が注目されている。
秋山翔吾
・出身地:神奈川県
・投打:右投左打
・身長/体重:184㎝/87㎏
・生年月日:1988年4月16日
・経歴:横浜創学館高-八戸大
・ドラフト:2010年ドラフト3位
日本球界で圧倒的な成績を残した秋山翔吾も、MLBでは結果を残すことができなかった。
2010年ドラフト3位で埼玉西武ライオンズに入団した。プロ2年目の2012年にレギュラーへ定着すると、2015年は驚異的なペースでヒットを量産。最終的に打率.359、216安打をマークし、NPBシーズン最多安打記録を樹立した。首位打者1回、最多安打4回、ゴールデングラブ賞6回と攻守に圧倒的な実績を上げ、2020年シーズンからMLBへ活躍の場を移した。
シンシナティ・レッズでは、短縮シーズンとなった移籍初年度に全60試合中54試合出場で、打率.245の成績。翌2021年は故障もあって88試合出場にとどまり、打率.204と不本意な成績に終わった。
3年契約最終年となった2022年は、開幕直前にロースター枠を外れFAに。その後、サンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結ぶもメジャー昇格は叶わず、シーズン途中にNPB復帰を決断し、広島東洋カープに加入した。MLBでも外野守備で再三の好守を見せていたが、打撃では本来の実力を発揮することはできなかった。
牧田和久
・出身地:静岡県
・投打:右投右打
・身長/体重:177㎝/85㎏
・生年月日:1984年10月10日
・経歴:静清工-平成国際大-日本通運
・ドラフト:2010年ドラフト2位
希少性の高いアンダースロー投法でMLBへ挑戦した牧田和久。しかし、メジャーの一流打者には攻略される結果となった。
2010年ドラフト2位で埼玉西武ライオンズへ入団。プロ1年目は開幕ローテーションに入り、シーズン途中にはクローザーに抜擢。同年は55試合(127回2/3)を投げ、5勝22セーブ、防御率2.61の好成績を残して新人王に輝いた。翌2012年は先発に専念し、キャリアハイの13勝を挙げた。
2016年からはリリーフに専念すると、同年は50試合登板、32ホールドポイント(7勝25ホールド)、防御率1.60をマーク。2017年オフにポスティングシステムを行使し、サンディエゴ・パドレスに移籍した。