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「夫が、帰ってこない…」結婚2年目、妊娠を望む妻のもとに夫が帰ってこない事情

東京カレンダー

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:デート相手を、マッチングアプリ上で見つけてしまった…彼がアプリをやめない理由は?



今日もひとり、作り過ぎてしまった料理を見つめながら、ダイニングテーブルでため息をつく。

「今日も遅いのか…」

俊と結婚して、もうすぐ丸2年になる。結婚当初は毎晩一緒に家でご飯を食べていたし、夫の帰りも早かった。

けれどもここ最近、毎晩帰宅が遅い。

仕事で、部署が変わったことも大きいけれど、そもそも家にいない。帰宅しても「疲れた」の一点張りで、すぐに寝てしまう。

― 俊:ごめん、今夜も遅くなります!

たったそれだけのメッセージを読んで、返信する気力もなくスマホをテーブルの上に裏返して置いた。

こんなはずじゃなかった。結婚1年目まではうまくいっていた。それなのに、どうして夫は帰ってこないのだろうか…。


Q1:結婚前に女が見落としていた大事なコトは?


俊との出会いは友人の紹介だ。当時はコロナの自粛期間真っただ中で、出会いなんて皆無。33歳になっていた私は、とりあえず既婚者の友人に「誰かいい人を紹介して」とお願いするのが、結婚への一番の近道だと思っていた。

何人か紹介してもらったけれど、その中でも俊は最初から気が合った。

ただ当時はあまり人に会えない状況だったので、とりあえず先にLINEだけつないでもらう…という不思議な始まり方だった。

― 俊:絵梨花ちゃんは、何系の食べ物が好きですか?

そんな他愛ない会話をチャットで繰り返していた私たち。結局実際に会ったのは、LINEをつないでもらってから1ヶ月後のことだった。

でもここからが早かった。

二度目のデートで俊から「結婚を前提に交際してほしい」と告白され、そこから毎週末会うようになっていた。



もちろんたった2回だけ会っての交際に、不安がなかったわけではない。

でも俊と一緒にいると楽しくて、何より私は俊が好きだった。それに俊の穏やかな性格も、私と合っていた。

「変なこと聞くけど、俊って浮気したことある?」

ある日六本木のカフェで、映画帰りにお茶をしながら気になっていたことを聞いてみる。すると、俊は急な質問に目を丸くしている。

「どうした突然?ないに決まってるでしょ」
「そっか…。なら良かった」

偏見かもしれないけれど、浮気する人は一生浮気すると思っている。だから一度でもそういう経験がある人は、結婚後もいつか必ずすると思っていた。

「ご存じの通り、僕そんな器用じゃないし。そもそも、2人同時進行とか大変じゃない?」

俊の言葉に、思わず笑ってしまった。

「そこなの?もっと倫理的な観点じゃなくて?」
「いや、そこも大事だけど(笑)。純粋に面倒だなと思って。だって気力も体力もお金も2倍使うことになるんだよ?絵梨花はできる?」
「私は浮気なんてしないよ、絶対に」
「でしょ?僕も同じだよ」

俊のこの言葉に、嘘偽りはないと思う。なぜなら交際を開始してから初めて気がついたけれど、俊は極度の面倒くさがり屋だった。

交際してからは返信が遅い時も度々あった。

「俊、どうしてLINEの返事をくれないの?」
「え?ごめん!既読つけたから、それが返事のつもりだったんだけど…」

最初は理解できなかった。どんなに忙しくても、スタンプ一つくらいは送れるだろう。

何度もそう怒ってみたけれど、いつの間にか俊を説得することを諦めていた。

「いいよ、わかったよ。じゃあ既読ついたら、“了解”ってことね」
「絵梨花ありがとう〜!!」

そんな物わかりのいい私といるのが、彼的には心地よかったのかもしれない。結局、交際半年で私は俊からプロポーズされた。



「絵梨花、絶対に幸せにするから。僕と結婚してください」

一緒に行った恵比寿のフレンチでプロポーズされた瞬間を、私は生涯忘れないと思う。

そして人は、嬉しいと涙が止まらなくなることをこの時初めて知った。

「もちろんです…俊、ありがとう」

こうして、私たちの幸せな結婚生活が幕を開けた…はずだった。


Q2:夫の帰りが遅くなったのはナゼ?


最初のうちは、ただただ幸せだった。大好きな彼と一緒に暮らせていることも嬉しかったし、何より“妻”という座の絶対的安心感。

二人の関係が揺るぎのない強固なものとして、法で認められているようなものだ。

でも結婚して半年経ったタイミングで、俊が営業へ異動になった。

「絵梨花、これからすごい忙しくなるかも」
「そうなんだ。頑張ってね」

どんな時も応援するのが妻の務め。そう思っていたので、私もできる限りのサポートはしようと思った。

とは言っても意外にできることは少なく、家事をしたり、疲れて帰ってくる彼に美味しい食事を作ることくらいしかできなかった。

でもそこからさらに半年経つと、俊の帰宅時間が一気に遅くなった。



「俊、今日も会食なの?」
「うん、クライアントさんから呼ばれちゃって…。コロナ明けで、一気に会食が復活したって感じ。でもさすがに今夜はもう飲みたくないな」

私は未だ半分くらいはリモートワークなので、朝は俊を玄関先まで見送るのが習慣になっていた。

「今日で何日連続?」
「今週は水曜からだから、3日連続かな」
「あのさ…私ももうすぐ35歳だし。子どもとか考えてる?」
「ん?も、もちろん」

朝っぱらから言う話ではなかったかもしれない。でも目に見えて帰りが遅くなった夫に対して、若干の不信感と不満が募っていた。

「毎晩帰りも遅いし、どこで何やっているんだか…」
「絵梨花。僕は仕事してるんだよ?毎晩、接待だって言ってるよね?」
「わかってるけど…」
「朝から喧嘩したくないから、もう行くわ」

そう言って、勢いよく“バタン”とドアを閉めて行ってしまった。

― 本当に、ちゃんと子どものこととか私たちの将来のこと、考えているのかな…。

私がそう思うのには、十分な理由があった。



毎晩帰りが遅いだけでなく、帰宅してもすぐに寝てしまうし、休日もゴルフなどで家にいない。

むしろ結婚前のほうが一緒にいられた気がする。

日曜は一緒にいるけれど、早めに寝てしまうので、夜も何もない。

― というか、こんなに飲み歩く人だったっけ…?

女の勘的に、浮気はしていないと思う。なぜなら本当に忙しそうだし、他の女の影もない。

「ねぇ俊。掃除機を買い換えたいんだけど…。ネットで買っていい?」
「うん、いいよ。僕のアカウントから買いなよ!はい、ここから手続きしちゃって」

そう言って、俊はポンと私に自分のスマホを渡してきた。ネットショッピングの画面以外私は開かなかったけれど、悪びれるそぶりも何もなく、堂々と貸してくれた様子からして、やましいことはなさそうだ。

― 私との子作りが嫌ってこと…?

今日もまた、帰りが遅い夫を待ちながら、私はひとり悶々としている。


▶前回:デート相手を、マッチングアプリ上で見つけてしまった…彼がアプリをやめない理由は?

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

▶NEXT:11月20日 日曜更新予定
夫の帰りが遅い、本当の理由は?


 
   

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